2015 Fiscal Year Annual Research Report
ロコモティブシンドロームにおけるビタミンD栄養状態の意義
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25750061
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
桑原 晶子 大阪樟蔭女子大学, 健康栄養学部, 准教授 (00582602)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 血清25水酸化ビタミンD濃度 / 四肢筋肉量 / 下肢筋力 |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度は、健常ボランティアを対象として四肢筋肉量および下肢筋力とビタミンD栄養状態との関係性について横断的に調査を行った。 対象者は病院勤務の職員40名 (平均年齢42.0±10.6歳、M/F: 16/24) とした。二重エネルギーX線吸収測定(DXA)法にて、上肢、下肢、体幹別に脂肪量、除脂肪量、骨量を測定した。さらに、[上肢除脂肪量+下肢除脂肪量] (kg)/身長 (m)2から四肢骨格筋指数 (skeletal mass index: SMI)を算出した。また核磁気共鳴装置(MRI)で大腿横断像を撮像し、画像解析ソフトを用いて大腿部筋肉量を算出した。大腿下肢(大腿四頭筋)筋力を測定し、両下肢筋力平均値を体重で補正した値を算出した。また、LC-APCI-MS/MS法にて、血清25OHD濃度を測定した。食事調査は簡易的自記式食事歴法質問票 (BDHQ) を用いた。 対象者の平均血清25OHD濃度は、16.6±6.0 ng/mLであり、ビタミンD不足者(10- 20 ng/mL未満) は57.5%、欠乏者は(10 ng/mL未満) 30%存在し、女性の割合が有意に高かった。SMIと下肢筋力には有意な相関は見られなかったが、血清25OHD濃度は、SMIおよび下肢筋力に対し、有意な正相関を示した。さらに、年齢ならびに性別で調整したところ、SMIではその関係が消失したが、下肢筋力では維持された。 四肢筋肉量と下肢筋力は直接の関係を示さず、血清25OHD濃度は筋肉量よりも、下肢筋力との関係を示しやすいことが示唆された。欧米のメタアナリシスにおいても、ビタミンD介入効果は筋肉量よりも下肢筋量とみられやすいことが報告されており、ビタミンDは筋量よりも筋質に作用することが推察された。
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Research Products
(5 results)