2015 Fiscal Year Annual Research Report
食塩排泄量自己測定機器を主体とした体験型減塩教育の確立
Project/Area Number |
25750067
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
安武 健一郎 中村学園大学, 栄養科学部, 准教授 (00516726)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 食塩摂取量 / 食塩排泄量 / 減塩教育 / 血圧 / セルフモニタリング / 体験型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題の目的は、対象者自身が食塩排泄量自己測定(SM)を通して、減塩の成果を実体験できる「体験型」教育の確立である。平成27年度は、「SM機器を用いた体験型減塩教育法の効果」について短期的・長期的効果を検証した。 SM機器の短期的効果を検証するため、同意が得られた123名を対象者としてエントリーし、ベースライン(B)調査として24時間家庭蓄尿(蓄尿)を依頼した。対象者の性、年齢、BMI、高血圧の有無、血圧値および24時間食塩排泄量を層別変数として、SM機器を用いて4週間 SMする群(S群)と、コントロール群(C群)に割り付けた。4週間のSMが終了した時点で、両群にB調査と同様の内容でエンドライン(E-1)調査を行い比較した。対象はS群61名とC群62名に割り付けられた後、研究スケジュールを完遂し、かつB, E-1調査時の蓄尿に成功した78名を最終解析対象者とした。介入前後の24時間食塩排泄量は、C群で変化しなかったが(9.0±3.8g→8.8±3.9g, ns)、S群では有意に低下した(10.0±4.2g→8.8±3.6g, p<0.05)。 次に、長期的効果を検証するため、エントリーから1年後にE-1調査と同様のスケジュールで最終調査(E-2)を行った。対象123名のうちE-2調査にエントリーした者は69例であった。研究スケジュールを完遂し、かつB, E-2調査時の蓄尿に成功した46名を最終解析対象とした。その結果、介入前後の24時間食塩排泄量は、C群で変化しなかったが(9.4±4.0g→8.4±2.9g, ns)、S群では有意に低下した(8.8±3.3g→7.4±2.8g, p<0.05)。結論として、SM機器を用いた体験型減塩教育は短期的にも長期的にも有用であると考えられた。 研究期間全体の成果として、平成25-26年度にSM機器の測定値の妥当性・再現性が示され、平成27年度にはそれを用いることの臨床的有用性が示された。以上より、本研究は「体験型」減塩教育確立の一助となるものである。
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Research Products
(6 results)