2014 Fiscal Year Research-status Report
国内で流通する非加熱摂取食品に潜在する細菌学的健康リスクの解明
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25750069
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
原田 哲也 大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 主任研究員 (70516723)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腸内細菌科菌群 / 非加熱摂取食品 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年4月から2015年3月までに大阪府内で流通する洋生菓子88検体、漬物類98検体、魚介類加工品98検体について、腸内細菌科菌群、サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌、志賀毒素産生性大腸菌を含む下痢原性大腸菌を対象とした汚染実態調査を行った。さらに、魚介類加工品については、腸炎ビブリオについても調査を行った。結果として、洋生菓子から63株の腸内細菌科菌群と7株の黄色ブドウ球菌が、漬物からは207株の腸内細菌科菌群と7株の黄色ブドウ球菌が、魚介類加工品からは139株の腸内細菌科菌群と4株の黄色ブドウ球菌が分離されたが、その他の食中毒起因菌は分離されなかった。 分離された腸内細菌科菌群を菌種同定するため、Escherichia coli、Klebsiella oxytoca、K. pneumoniae、Proteus mirabilis、Cronobacter sakazakii、Citrobacter freundii/C. braakiiを標的としたPCR法あるいはリアルタイムPCR法を確立した。また、Enterobacter cloacae complexについては、hsp60遺伝子のシーケンス解析による菌種分類法を導入した。 また、20014年2月から2015年3月までにベトナムで流通するペッパー類80検体の腸内細菌科菌群の汚染実態を調査した。分離株については、生化学的性状、質量分析装置、遺伝子検出法により菌種同定を実施し、さらにディスク法による薬剤感受性を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度終了時点で、国内で流通する洋生菓子、漬物、魚介類加工品の計284検体について、汚染実態調査を行い400株以上の腸内細菌科菌群を分離した。また、これらに加え、非加熱摂取食品の一つであるペッパー類についてベトナムで流通する80検体を検討した。これまでに本研究で必要と考える分離株を得ることができたため、汚染実態調査は本年度までで終了とし、最終年度である次年度は菌種同定と薬剤感受性を検討し、薬剤耐性機構を菌種ごとに明らかにしていく予定である。 現在、菌種同定及び薬剤感受性の検討を中心に研究を進めている。菌種同定についてはPCR法、リアルタイムPCR法およびシーケンス法を平成26年度の研究で確立したことで、より確実な同定が可能となっている。 これらを踏まえ、本研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成27年度は菌種同定と薬剤感受性を検討し、薬剤耐性機構を菌種ごとに明らかにしていく。薬剤耐性遺伝子の検討では、ESBL耐性遺伝子を中心に検討する。また、E. cloacae complexについては、分離された検体ごとにどのような菌種が優位であるかを明らかにし、非加熱摂取食品由来株とヒト感染症起因菌との関連性について、検討する。 さらに可能であれば、同一検体由来の異なる薬剤感受性を示す同一菌種の株について、PFGE解析等を実施し、遺伝的関連性を明らかとすることで、耐性機構の検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
志賀毒素産生性大腸菌検出のためのリアルタイムPCR法についての論文が、いまだアクセプトされていないため、掲載にかかる費用を使用しなかった。 また、情報収集のための食品微生物学会が平成26年は大阪で開催されたため、その分の旅費が必要とならなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度についても直接経費の多くは、消耗品の購入に使用する予定である。特に、薬剤感受性試験用の培地や感受性ディスク、さらにはPCR試薬やシーケンス試薬を購入する予定である。 さらに、論文投稿のために英文校正費用として10-20万円程度の支出を行う予定である。また、本年は食品微生物学会が川崎市で開かれるため、参加のための旅費を支出する予定である。
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