2013 Fiscal Year Research-status Report
全茎切断法による植物の再生と増殖を簡便に学習できる教材開発
Project/Area Number |
25750073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
箕作 和彦 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (50613709)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 植物 / 増殖 / 生物育成 / 技術教育 / 教材 |
Research Abstract |
本研究は、農業・園芸分野における植物体の新たな増殖技術である全茎切断法に着目し、中学校技術科教育で、簡便に植物の再生について学習できる教材の開発を目指した。 まず、学校施設内における植物栽培を想定して、メタルラックと蛍光灯で作製した栽培用棚においてトマトを栽培し、全茎切断法による植物の増殖が可能であるかについて検討した。その結果、ビニルポット栽培およびプラントボックス栽培の両トマトは、栽培用棚で発芽、生育し、全茎切断法により不定芽を形成した。したがって、施設内でのトマト栽培および全茎切断法による不定芽形成の観察が可能であることが明らかになった。また、この実験では、栽培用棚でのトマトの不定芽形成に必要な時間や不定芽の形成過程についても調査しており、栽培期間を考慮した授業計画により教材として活用できると考えられる。 次に、全茎切断法による植物の増殖において教材として最適な作物の選定では、教科書に掲載され、教育現場で広く利用されている作物のナス科のトマトとナス、ウリ科のキュウリ、アブラナ科のブロッコリーを材料としてそれぞれ全茎切断法を行った。その結果、ビニルポットにおける各植物の発芽時期は、キュウリとブロッコリーがトマトとナスより早いため、教材として活用するために栽培時期や実験期間などの評価基準を設定する必要ができた。今後、供試植物の播種から全茎切断法を行うまでの期間と植物体の成長、全茎切断後に植物体が不定芽形成に要する期間などについて詳細に検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2013年12月から2014年1月まで当研究室の改修を行ったため、実験植物の栽培環境が安定するまで研究が一時滞ったが、2014年2月から研究を再開している。現在は、栽培環境を制御できており、研究を推進している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の研究で、メタルラックと蛍光灯で作製した栽培用棚でビニルポットとプラントボックスを用いた植物栽培の環境を設定できたので、今後は実験材料の植物種を増やして全茎切断法による不定芽形成を観察する教材に適した植物の選定を行う。 次に、選定した植物で全茎切断法による植物の増殖について研究授業を行い、教材としての教育効果について検討する。研究授業では、対象植物の栽培方法と一般的な増殖方法を説明し、全茎切断法による植物体の増殖について説明および実習を行う。また、授業を受けた生徒には、植物の栽培と増殖に対する興味や関心などについて授業評価のアンケート調査を行う。このアンケート調査の結果を解析して、全茎切断法による植物体の増殖についての教育効果や教材としての利用方法を検討する。 最後に、本研究をまとめて、全茎切断法を植物栽培の教育に活用できるように改良して、生徒が植物の増殖を簡便に学習できる教材を開発する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度は、研究が発表まで至っておらず、経費の旅費は未使用で物品費のみ使用したため受領額の一部が余剰した。 前年度の余剰経費は、今年度の学会に参加して発表するための旅費として使用する。
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