2014 Fiscal Year Annual Research Report
教師の成長発達を促進する機能を内包した学校システムモデルの開発
Project/Area Number |
25750079
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
澤邉 潤 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (30613583)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 学校システム / 能動的学習意識 / 教師教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,学校特有の教育課題の要素を組み込んだ教師の持続的な成長発達を促進・支援する学校システムのモデルを開発することを目的とした。 具体的には,学校に対する児童の認識に焦点化し,授業場面及び日常場面での認知に関して調査研究を進めた。授業場面に関しては,教室授業場面における教師と児童の関係性から立ち現れる「授業雰囲気」が児童に行動に与える影響が示唆された。また,日常場面においては,学校教育目標に関する理解が児童の能動的な学習意識を醸成している可能性が示された。教科による学習というよりも総合的な学習の時間において育成される知識や能力が日常の生活における学習習慣の確立や能動的な学習に対する認識に影響を与えていることが特徴的といえる。これらの結果より,教師の学級運営だけではなく,対象と次元の異なる学校全体のマネジメント在り方と働きかけの多様性に関するアプローチの必要性があると考えられる。 研究期間全体を通じ,前年度の学校全体教師個人及び教師間の関係性を同僚性という観点からの教師の成長発達に関する研究を考慮すると,全体として学校の構成員である児童,教師,管理職それぞれの学校に対する認識は異なっていることを認識した上で,学校特有の文化的課題や教育的課題の共有を進めるプロセスを通じてキャリアの異なる教師の成長発達に資する学校経営に関する実践的な研究の蓄積が必要性が指摘できる。 今後は,学校を取り巻く地域・文化的要素や学校以外のコミュニティに関する要因を検討し,学校が持続的に開発発展可能なシステムとしての成立要件に関する研究が必要になると考えられる。
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