2014 Fiscal Year Research-status Report
研究倫理コンサルテーションの調査と試行に基づく事例集積モデル構築
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25750101
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
會澤 久仁子 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 研究員 (80530162)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 研究倫理 / 倫理コンサルテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
当年度は次の通り研究倫理コンサルテーション(research ethics consultation service: RECS)の調査と試行を実施した。 1. 国内と米国のRECS調査 約2年間の当研究室でのRECSを主とするコンサルテーション100件余りについてまとめ、国内外の学会研究会で発表した。そしてRECSを含む研究倫理支援の現状についても学会ワークショップを共同企画し、報告した。さらに昨年度実施した国内RECSニーズ調査について学会発表と、論文を『臨床薬理』誌に投稿、受理された(次年度出版予定)。加えて国内RECS拠点整備構想について国際学会発表を行った(昨年度の発表として記載済)。また、米国RECSの動向について米国学会に参加して継続的に情報収集を行った。これらの機会に意見交換を行い、本プロジェクトについて検討を深めることができた。 2. 過去事例の検討と公開RECSの具体的計画 昨2013年度末までの13か月間に当研究室でセンター外から受けたRECS10名12件について検討した。依頼者は研究業務上の知人7名とセミナー受講者3名であり、その所属は大学・独法・病院が各3名、職種は研究職4名・医師3名・他3名。依頼方法(重複有)はE-mail10件、電話3件であった。研究種類は観察研究が7件と多く、具体的には自機関内および他機関からや共同研究における試料情報の提供利用をめぐるインフォームド・コンセント等の手続と倫理審査に関する相談が多かった。研究段階は研究実施前6件・研究基盤整備3件・研究発表2件であった。センター内外から受けたRECSの経験をもとに、公開RECSの実施体制を検討し、ウェブサイトを作成した。またサイト公開前に、倫理審査委員向け研究倫理セミナーにおいてRECSを含む研究倫理支援について小講義と本RECSの広報を行い周知に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内RECSニーズ調査に関する学会発表と論文作成や、センター内の倫理コンサルテーションに関する学会発表、研究倫理支援の現状とRECSの展望に関する学会発表を行うことができたが、それらに時間がかかり、次の計画を達成することができなかったから。 ・米国RECS調査報告 ・過去事例の検討にもとづく参考事例の作成公開 ・RECS受付回答体制に関する検討決定と、ウェブサイト作成、事例収集 RECSウェブサイト公開は、年度後期を予定していたが、次年度明けへ延期となった。また、利用者フィードバック方法についても未決定である。これらの遅れに伴い、外部専門家への協力要請や広報、事例集積が遅延している。事例集積のためには参考事例の作成公開も必要である。なお、依頼書式はオプション、また回答書式は未定型のため、今のところ作成していない。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は以下の通り、当年度の残された課題を達成するとともに、RECSと事例集積を推進し、データベース構築と事例公開方法について検討する。 まず公開ウェブサイトを通じたRECSについて研究倫理専門家に案内のうえ協力を依頼する。そして利用者フィードバック評価の方法を策定し運用する。これはGoogleドキュメントを用いたウェブでの匿名アンケート調査を計画している。また過去の事例にもとづいて参考事例を作成公開し、研究倫理セミナーで広報することにより、RECSの利用を促進する。参考事例の公開は、RECSウェブサイト(Googleサイト)の事例一覧ページからリンクして、Google Bloggerを用いたブログサイトとして作成し、関係者のコメントも受け付けられる双方向システムの構築を計画している。さらに事例集積のためのデータベースを作成する。これはREDCap(Research Electronic Data Capture)システムの利用を検討している。加えてこれらの経験を踏まえながら米国RECS調査の結果を検討し直し、年度後期に報告論文を作成する。
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Causes of Carryover |
国際学会研究会での発表2回のうち1回と、米国学会参加調査1回について、他研究費による研究発表と合わせて実施し、海外旅費を節約することができたから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越金により次年度も米国調査を継続して複数回実施する計画である。
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Research Products
(6 results)