2013 Fiscal Year Research-status Report
日本列島の花崗岩山地の化学的風化速度の分布とその規定要因
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25750113
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Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
八反地 剛 筑波大学, 生命環境系, 講師 (00418625)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 風化 / 侵食 / 地形 / 花崗岩 |
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| Research Abstract |
本研究では原位置宇宙線生成核種法とX線蛍光分析を組み合わせた新たな手法に基づき，全国のいくつかの代表的な花崗岩地帯における化学的風化速度を明らかにすることを目的としている．本年度には山形・朝日地域（長井盆地西縁活断層帯の背後の隆起山地）の渓流４流域で採取された河川堆積物試料の宇宙線生成核種濃度から，この地域の削剥速度が0.23-0.63 mm/y（速報値）であることが明らかとなり，現在データの確かさの検証を進めている．特に平均傾斜がもっとも大きい（34.5度）流域で0.63 mm/yと高い削剥速度が得られており，平均傾斜が削剥速度を決定づける重要な因子であるという既存の研究成果を支持している．また，これらの削剥速度は，活断層帯の垂直変位速度（約0.3-0.7 mm/y）とほぼ同じであることも明らかとなった．今後，本地域において，２つの流域を設定し，岩石・風化物の化学成分分析を進める予定である．一方，六甲山地では削剥速度0.5 mm/y以上の流域を重点対象エリアに設定し，岩石サンプル・河川堆積物採取を行った．現在この試料の分析を進めている段階である．また，山形・六甲地域それぞれにおいて風化土壌採取について許可申請中であり，許可が得られ次第，土壌の採取を行い，風化土壌の化学成分分析を進める．なお，本研究に先行し，その着想の基礎となった北アルプス芦間川流域における化学的風化速度に関する研究成果をまとめた．論文は雑誌「地形」に受理され，今後，公表される予定である．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
山形・朝日地域と六甲地域の分析が進んでいる．なお，当初の具体的な計画では１年目に温暖地域，２年目に寒冷地域を対象としていたが，先行研究より0.5-1.0 mm/yの領域における化学的風化の挙動が研究遂行にきわめて重要であると考えたことから，その領域のみられる地域を優先的に研究対象としている．
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| Strategy for Future Research Activity |
山形・朝日地域・六甲地域のデータ取得を今年度中に完了することを目標とする．一方，当初の計画に含めていた屋久島エリアについて，岩石の性質に技術的な問題（長石の結晶サイズが大きいなど）があることが判明した．温暖な地域で高い削剥速度を示す花崗岩流域の選定に見直しが必要であり，その点についても検討を進める予定である．
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費の余剰について，本人の家庭の事情があり，当初の計画がやや遅れ，平成25年度前期の出張を後期の終盤に変更して執行することとなったため，来年度払いとなった．現時点では上記金額には含まれていないが，３月に六甲地域への調査を実施済みである．また，出張時期が遅れたことで，サンプル量が少なくなったため，人件費も予想より小さい金額となった．
繰り越している計画について，今年度中の山形地域と六甲地域でのサンプル所得計画をすすめており，それを執行した旅費を使用した後に，サンプル処理も生じるための人件費も使用される予定である．
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