2014 Fiscal Year Research-status Report
学校現場での避難場所選定を支援する数理モデルの開発と防災教材作成支援への応用
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25750124
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
古田 壮宏 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (60453825)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | OR / 最適配置 / 避難所 / 防災教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災を受け,学校現場では災害発生時における児童・生徒のための避難経路や避難場所の再検討が求められている.このとき,地形や道路状況,時間帯など様々な要因を考慮する必要があり,本研究の目的は,OR(Operations Research) や都市工学などの都市空間分析の手法を用いて,各学校現場に即した避難経路および避難場所の選定を支援するための数理モデルを開発すること,およびそれを活用した防災教育用教材作成支援システムを試作することである. 平成25年度には各自治体・学校における現状の避難経路や避難場所の把握およびその選定上の課題抽出と,道路および地域の不通を考慮した避難経路・避難場所評価モデルの開発などを実施した.平成26年度はこれらの成果を踏まえて,申請時の計画に沿って,1)避難経路および避難場所の選定のための数理モデルの構築,2)実都市を対象とした現実的な規模の問題に対応するための算法の開発,を行った. 1)においては,現状の避難所構成からどの程度追加や変更を加えると,アクセスの効率および公平性という側面から改善が見込めるかをモデルを用いて検討を行った.2)においては,東京都23区や奈良市の道路網や現状の避難所データを利用して避難場所を選定するための解法の構築を行った.さらに,1)と2)の結果を踏まえて,23区や奈良市の実データに基づく各住民の避難所までのアクセスに関する公平性の分析を行った.また,災害時の緊急車両の活動についても合わせて検討するために,これらの配置の分析も行った. 教材作成支援の観点からは,現場のニーズに即したシステムを開発するために,複数の学校において,防災教育および避難訓練・引き取り訓練の現場を見学・ヒアリングを行った.特に防災マップの活用について現状と課題を調査した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の平成26度の計画に従って,モデル及び解法の開発およびそれらの実データへの適用,学校現場に対する防災マップの活用に関する調査・ヒアリングを実施できた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,これまでの調査結果やモデル・解法の開発結果を用いて,防災マップに着目した防災教育用教材作成支援システムの試作する.またより実用的なものとするため学校現場への調査・ヒアリングを随時実施する.
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Causes of Carryover |
本研究に協力いただける学校関係者が当初予定よりも多く,また多地域になった.平成27年度のこれらの地域に対する調査・研究実践を円滑に進め,システムをより実用的で有用なものとするために必要な旅費や謝金として支出するため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学校現場(三重県・和歌山県・兵庫県・東京都など)の調査や研究実践のための旅費や謝金と支出する.
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