2014 Fiscal Year Annual Research Report
電力市場の活性化に向けた電気事業者の投資意思決定分析
Project/Area Number |
25750127
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
高嶋 隆太 東京理科大学, 理工学部, 講師 (50401138)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電力システム改革 / 新規電気事業者 / 参入可能性 / リプレース / 火力電源入札制度 / Missing moneyの問題 / 容量市場 / リアルオプション |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,我が国において電力システムの改革が求められており,電力市場全面自由化へのさらなる施策が必要である.そこで本研究では,リアルオプション理論を用いることにより,電力市場における発電事業者の投資決定に関する分析を行った.特に,発電プラント設置に関して,規制の下での意思決定を行う評価モデルを構築し以下の2点の経済性評価を行った.
(1)近年,一般電気事業者による火力電源調達事業を競争入札に掛けることにより,プラントの設備更新や,多様な主体による供給力増強を目指した火力電源入札制度が実施されている.そこで本研究では,火力電源入札制度に着目し,燃料費の不確実性を考慮した火力発電プラントのリプレースモデルを構築し,発電事業者のリプレース意思決定に関する経済性評価を行った.特に,火力電源入札制度を考慮したときの卸価格と入札価格が,リプレースの閾値に与える影響について分析を行った.さらに,入札価格の低下に伴いリプレースは促進される一方で,入札価格の過度な低下はリプレース機会を減少することを明らかにした.
(2)本研究では,各国にて検討中である容量メカニズムに着目し,電力価格と容量価格が不確実な状況における容量メカニズムを講じた場合の,電源投資の意思決定問題に関して評価モデルを構築し,投資意思決定について分析を行った.特に,容量市場への売電割合に対する投資の閾値を算出することにより,容量価格が高い場合でも容量割合に対する投資の閾値が単調減少でないことから,その割合を考える必要があるということが明らかとなった.また,電力市場のみのケースと,容量市場を考慮したケースの投資オプション価値に関する分析から,電力価格の不確実性がそれぞれのケースの投資オプション価値に影響し,電力価格の不確実性が小さいならば,容量市場を考慮した場合の投資オプション価値は考慮しない場合よりも大きくなることが明らかとなった.
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Research Products
(30 results)