2014 Fiscal Year Research-status Report
大規模ウェブデータを用いたうわさと流行の伝播解析とデマ拡散の制御方法の構築
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25750130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 健太 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00609703)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大規模ソーシャルデータ分析 / エージェントベースモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに構築したうわさや流行の伝播を再現するエージェントベースモデルに対して,実データからシステマティックにパラメータ推定するアルゴリズムを構築した.これまでエージェント間の相互作用は平均場であったが,新たに複雑ネットワーク上での相互作用するモデルを構築した.東日本大震災後に見られた間違ったうわさ(デマ)の伝播のデータ解析を行い,エージェントモデルによるシミュレーションを行った.
1.約5000万記事のブログデータから1日あたりの出現頻度が指数関数的に増加した単語(「KY」「食べるラー油」など)を流行語と定義し,数理生物学の分野でよく知られるSIR(Susceptible-Infected-Recovered)モデルを基礎としたエージェントベースモデルによって時系列の再現を行った.また,与えられた実データとシミュレーション結果の距離を最小にすることにより,最適パラメータを推定するアルゴリズムを構築した.また,複雑ネットワーク上でエージェントが相互作用するモデルを構築した.
2.140字の制限がありマイクロブログと呼ばれるツイッターの約1億8千万記事を解析することにより東日本大震災後に見られた間違ったうわさ(デマ)の伝播も流行語のように指数関数的な上昇が見られることを確認し,エージェントモデルによって再現を行った.また,公共機関によるデマ訂正のアナウンスがリリースされると,デマ訂正のツイート数が急速に増えることをデータから確認した.これらの結果を応用して,もしも公共機関によるデマ訂正のアナウンスが2時間早くリリースされた場合にデマ拡散がどの程度抑えられたかをシミュレーションによって示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画したエージェントベースモデルは,ほぼ計画通りに構築できた.また,次年度に予定していたデマ拡散の制御への応用研究にも取り組むことができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
より現実のデータに合うように,ニュースの効果など外生的な要因をモデルに加える.また,複雑ネットワーク上でエージェントが相互作用するモデルの解析を進める. これまの研究結果を基に,流行やデマの早期発見や予測を行うアプリケーションを構築し研究結果をより多くの人々が利用できる環境を構築する.
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Causes of Carryover |
当初予定していた海外出張が授業のため参加できなくなってしまったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の旅費として使用する.
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Research Products
(5 results)