2013 Fiscal Year Research-status Report
災害・危機に対する大学の業務継続マネジメント支援パッケージシステムの開発
Project/Area Number |
25750134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大原 美保 (吉村 美保) 東京大学, 大学院情報学環, 准教授 (70361649)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 危機管理 / 災害 / 減災 / 大学 / BCM / 業務継続 |
Research Abstract |
災害・危機が発生した場合,大学は「キャンパス構内にいる教職員・学生を守る,危険物の安全確認を行い加害者にならない,教育・研究を早期に再開する」という使命を有する.また,大学によっては「避難場所や避難所として機能する」や「付属病院の機能を維持する」という使命も有する.災害・危機時にこれらの使命を滞りなく遂行するためには,いち早く大学としての初動体制を確立して中断なく業務を継続する必要があり,業務継続マネジメント(BCM)の整備が急務である. 本研究では,大学の業務継続マネジメントを支援するパッケージシステムの開発を目指している。平成25年度は,「①キャンパスの災害リスクを手軽に診断するためのマップシステム」を開発するとともに,「②東日本大震災での大学の対応から学ぶための災害対応データベース」機能を有するシステムの開発に着手した。 「①災害リスク診断マップシステム」機能では,広域での災害リスクや防災関連施設情報をマッシュアップすることにより,各大学の防災担当者が手軽に災害リスクを診断できる環境の整備を目指した.大学にとってのリスクには,キャンパス内施設のリスクだけでなく,構成員の住まいのリスク,構成員の通学・通勤途中のリスクも含まれる.これらの広域に渡るリスク情報を集約して,WEB画面で閲覧できるシステムとして開発を行った. 「②災害対応データベース」機能に関しては,2011年3月11日の東日本大震災で被災した大学による震災対応記録の公表資料に基づき,各大学で実際に行われた対応を、対応の時期や場所、業務内容などに応じて分類・整理した.各大学で行われた震災対応や対応時の課題を、業務の種類や時系列に基づいて表示することで、災害対策に関わる大学の教職員が発災後からの対応の流れを具体的にイメージできる環境を整備することを目指している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、「①キャンパスの災害リスクを手軽に診断するためのマップシステム」を開発するとともに,「②東日本大震災での大学の対応から学ぶための災害対応データベース」機能を有するシステムの開発に着手した。②災害対応データベースについても、システム上に掲載すべき情報項目の整理が完了しており、平成26年度にシステム上への掲載の予定である。よって、研究はおおむね予定通りであり、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、今までに構築した災害対応支援システム上に、災害対応データベースの機能を搭載する予定である。これらを搭載したプロトタイプシステムを、大学の防災担当者等に閲覧してもらい、機能についての検討を行う予定である。また、新たな機能として、「防災対策チェックリスト構築機能」についての検討にも着手する。
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Research Products
(1 results)