2014 Fiscal Year Research-status Report
悲鳴発声時の声道特性の解析と悲鳴検出システムへの応用
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25750137
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
早坂 昇 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 講師 (50554573)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 悲鳴検出アプリケーション / 統計的悲鳴検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度前半 昨年度後半から実施している声道特性の話者内変動性と話者間変動性について引き続き調査を行った.その結果,話者(発話)内変動については,発話開始および終了時に大きく,それ以外の部分(安定状態)では比較的小さいことがわかった.さらに,安定状態から抽出される基本周波数の変動性は,人間が当該悲鳴から感じ取る危険度と大きく関連していることが明らかになった.具体的には,基本周波数の変動が大きい悲鳴ほど,その悲鳴から危険を感じることがわかった.また,話者間変動性に関しては,通常の会話音声に比べると変動が小さく,悲鳴を発している際の声道形状はどの話者もそれほど変わらないことも明らかになった.本研究の一部は昨年8月に開催された第27回回路とシステムワークショップにて口頭発表を行っている.
2014年度後半 2014年度前半までに明らかにした話者内変動および話者間変動の性質を鑑み,悲鳴音声および非悲鳴音を混合正規分布によりモデル化し,統計的悲鳴検出システムを構築した.その結果,悲鳴音声・非悲鳴音の識別が98%以上可能であることが確認された.また,そのアルゴリズムをAndroid OSが動作する端末に実装し,悲鳴検出を利用した自動通報アプリケーションを開発した.このアプリケーションはイヤホンマイクで録音した音声を常時監視し,悲鳴が検知されたときに,大きな音に加え,登録した番号に通報を行う.これにより,犯罪の防止・抑止効果が期待できる.しかしながら,現在,雑音による未検出や電池の消耗などの問題があるため,今年度,更に改良を加える予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請当初に想定していた大学院生の協力を得ることができていないため,論文発表や学会発表が十分にできていいない状態だが,概ね順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度開発した悲鳴検出アプリケーションの問題点の改良およびDSPまたはマイコン上で動作するソフトウェアを構築する予定である.
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Causes of Carryover |
昨年度購入を予定していたリニアPCMレコーダー,マイクロホンおよびノートPCが,システムの構築がやや遅れたことに起因し,購入できなかったためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実環境における雑音やそこで発せられた悲鳴音声によるシミュレーションは実用化する上で不可欠であるため,今年度前半に上記の器材を購入し,収録ならびにシミュレーションを行う.
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