2014 Fiscal Year Research-status Report
大型建設機械の転倒防止に関する地盤養生および簡易地盤調査法に関する研究
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25750141
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
堀 智仁 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 建設安全研究グループ, 主任研究員 (20508634)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 敷鉄板の敷設方法 / 地盤養生 / 簡易地盤調査法 / 変位速度依存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)敷板の敷設効果に関する研究: 敷板の平面的な敷設効果を調べるために、敷板模型を用いて敷設方法を変えた載荷実験を設置した。敷板の敷設については、基本的に2枚重ねとし、下部の敷板を3種類の敷設方法で設置して、上部の敷板の位置を変えて設置した。上部敷板の端部に載荷した結果の比較から、適切な敷設方法が明らかになった。 (2)地盤支持力を求めるための簡易地盤調査法に関する研究: 労働安全衛生総合研究所が有する実大規模実験施設にて、関東ロームを用いて高さ1mの盛土を造成して、従来の試験法である平板載荷試験(PLT)と本研究が提案する高速平板載荷試験(高速PLT)を行い、両者の結果を比較した。 PLTは荷重を5~8段階で一定の荷重(30分保持)を与えるのに対して、高速PLTでは、PLTと同じ機材を使用して、手動式油圧ジャッキの操作ハンドルをなるべく一定速度(1ストロークあたり10~20秒程度)となるようにして荷重を与えるものである。PLTでは、1地点の計測に3時間~5時間を要するのに対して、高速PLTでは約20分程度で実験を行うことが可能となる。 両方法による載荷応力qと沈下量sの関係を比較すると、PLT(従来法)では、各載荷段階でクリープ変形が生じていたのに対して、高速PLTでは、各ストローク毎に応力緩和現象(リラクゼーション)が確認され、結果的には高速PLTのq-s関係はPLTの約1.5倍の値であった。このように、載荷方法の違いにより差が生じた原因として、地盤材料の粘性による変位速度依存性の影響が考えられる。関東ロームは粘着力が強く、その影響が顕著に現れたものと推察された。この値は地盤材料の粘性特性に変化するものと考えられるが、高速PLTの結果に当該数値を安全率として導入することにより、簡易な試験から地盤支持力を迅速かつ精度良く評価できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
敷鉄板の敷設効果に関する研究及び簡易地盤調査法に関する研究ともに、おおむね計画通りに研究が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)敷鉄板の敷設効果に関する研究 前年度に得られた成果を踏まえて、データの蓄積を行い妥当性を評価する。比較的入手可能な異形棒鋼等と敷板を併用した沈下防止対策について検討を行う。 (2)支持力を求めるための簡易地盤調査法に関する研究 手動式油圧ポンプによる載荷では、変位速度が一定とならず、結果がやや高くなることが明らかとなったため、適切な載荷スピードについて検討を行う。
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Causes of Carryover |
実大規模の実験を行う費用を見込んでいたが、建設会社の協力により建築現場にて想定していた実験を行うことができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
形式の異なる載荷ジャッキや100kN以上の容量を有するロードセルを購入して、試験装置の改良を行う予定である。
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