2013 Fiscal Year Research-status Report
チタン性マイクロポーラスとチタニアゲル化表面改質による複合型scaffold
Project/Area Number |
25750162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
関根 一光 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50447182)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロ多孔体 / チタンインプラント / スキャフォールド |
Research Abstract |
平成25年度においては、「チタン多孔体の孔質性状の改質と確認」「細胞学的評価」「チタニアゲル化表面作成の基礎検討」を主におこなった。 「チタン多孔体の孔質性状の改質と確認」においては、現状のチタン多孔体の平均35%程度の効率を向上させるため、基材にポリマー樹脂のマイクロビーズ(bPMMA)を添加し、実質のチタン密度を低減させることにより、効率向上を図った。また、それらの試験片について密度計による孔率測定と機械的強度測定をおこない、試料作成前における理論値との比較をおこなった。bPMMAの添加により、孔率はおよそ50%程度まで向上することが出来、またその機械的強度も従来試料よりは劣るものの、軟組織を対象としたインプラントとする際には充分であると考えた。その一方、bPMMAの添加量の増加に伴い、チタン多孔体の焼成時収縮率も増加し、最大孔率試料では10%を越える焼成時収縮となり、オンデマンドな形状作成を利点とした本課題においては孔率と焼成時収縮でのバランスを考慮する必要が生じることがわかった。 「細胞学的評価」においては、ヒト繊維芽細胞およびラット骨芽細胞をチタン多孔体試料に直接播種した後に培養をおこない、試料表面および試料割断面の電子顕微鏡観察により、多孔質体内部への充分な細胞侵入を確認でき、また繊維芽細胞播種試料においては数週間の培養により細胞由来と考えられるコラーゲンマトリクスの生成も確認出来た。 「チタニアゲル化表面作成の基礎検討」においては、チタン薄板の水酸化処理および水溶性コラーゲン塗布後のイソシアネート処理試料において、親水性への改質を液的接触面測定法により確認した。未処理チタン材における液滴接触角28度に対し、水酸化処理試料およびイソシアネート処理試料においては10度以下の液滴接触角となり、優れた親水性の向上が確認出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物による生体内埋込実験については、施設の関係上で当初の研究計画よりも遅れているが、チタン多孔体構造の改良改質検討およびチタニアゲル化表面作成においては予定通りに進行できており、成果内容からも次年度以降の研究が円滑に進められると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題実験計画における3年計画のうち、初期2年において「チタン多孔体の孔質の検討」および「チタニアゲル化による表面修飾法」を平行して進め、最終年度においてそれぞれの要素技術を統合した総合的な評価を予定している。そのため、H26年度中にチタニアゲル化手法における適切な手法の結果を導くことにより、最終年度までの研究進行とより良い成果を得ることができると考えている。 また、最終年度においては生体内評価も多くおこなう必要があるため、H26年度中に基礎的実験およびその後に向けた生体内評価指針の確立もあわせておこなう必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
施設の都合によって動物実験計画が先延ばしになったため、実験動物の購入費用の支出が実験計画よりも減少したため。 H25年度中に予定し、先延ばしとなった動物実験をおこなうため、実験動物および必要物品の購入費用として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)