2015 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外低反応レベルレーザーによる脳内炎症制御法の確立
Project/Area Number |
25750169
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大和 正典 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 研究員 (50565778)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 近赤外レーザー / 脳内神経炎症 / エネルギー代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題初年度から、申請者は脳への近赤外レーザーの頭部照射によってどの程度の深さまで光が脳へ到達するのかを明らかにしてきた。具体的には、麻酔下にラットの脳を歯科用ドリルを用いて脳表面の一部を露出させ、直径約1mmのグラスファイバーを脳の頭頂部より垂直に脳内へ挿入した状態で、頭上に固定したファイバーから近赤外レーザーの照射を行った。光計測器と連結したグラスファイバーはマニピュレーターに固定し、0.5mmずつ深度を下げ、各点でリアルタイムに計測した。これらの実験から近赤外光の深達性を明らかにし、脳内へ光が届いていることを確認した。26年度はさらに400nmから1000nmまで、さまざまなピーク波長を持つLEDを複数個入手し、同様の手法で脳への光深達性を計測したところ、波長により深達性が大きくことなることを明らかにした。このような基礎データや計測手法は今後他の深部臓器を対象にした際にも応用ができる。また、実際に脳内炎症を引き起こしたラットに麻酔下で近赤外レーザーを照射したところ、大脳皮質における炎症性サイトカインの発現がやや抑制されることを見出した。一方、先行研究から近赤外光による細胞機能調節作用の一つとして、エネルギー代謝を改善して細胞内ATPを増大させることが知られている。さらに申請者らは、TCAサイクルを阻害してエネルギー代謝を低下させた動物モデルにおいて、脳内神経炎症が誘発されることを明らかにしている。これらのことから、近赤外レーザー照射による炎症抑制作用は細胞内エネルギー代謝の調節作用が関与している可能性が考えられる。これらのことから27年度はエネルギー代謝変化に着目し、脳内炎症を引き起こした動物とそれに近赤外レーザーを照射した大脳皮質のメタボローム解析を実施し、現在解析を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Potential Biomarkers of Fatigue Identified by Plasma Metabolome Analysis in rats2015
Author(s)
Satoshi Kume, Masanori Yamato, Yasuhisa Tamura, Guanghua Jin, Masayuki Nakano, Yukiharu Miyashige, Asami Eguchi, Yoshiyuki Ogata, Nobuhito Goda, Kazuhiro Iwai, Emi Yamano, Yasuyoshi Watanabe, Tomoyoshi Soga, Yosky Kataoka
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Journal Title
PLOS ONE
Volume: 10
Pages: e0120106
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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