2013 Fiscal Year Research-status Report
異種情報の結合による先天性心疾患のための患者情報データベースに必要な技術開発研究
Project/Area Number |
25750193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
岩田 倫明 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究開発基盤センター, 研究員 (30631296)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医療情報システム / 先天性心疾患 / ベクトルシェーマ / 異種情報の連携 |
Research Abstract |
本研究では,非言語的な情報の保存,共有,理解法として医師の描くシェーマが非常に重要な役割を果たしていることに着目し,先天性心疾患を対象として,視覚情報(シェーマ)と文字情報(診療情報)とが結合するデータベース構築に必要な技術の研究開発を行い,シェーマを介して先天性心疾患患者の様々な情報を統合的に扱うことができることを調査・検証する. データベースの実現のためには,視覚情報(シェーマ)と文字情報(診療情報)を簡便に相互連携させることが必要である.そのため,本研究ではXMLベースのベクトル画像記述言語であるScalable Vector Graphics(SVG)で記述された,ベクトルシェーマを用いる.部位別に構造化されたベクトルシェーマを用いることで,個々の疾患名などの診療情報を紐付け,形態異常を視覚的に表現しながらデータベースとして格納することが可能となる. 平成25年度は,心臓の部位別に構造化されているベクトルシェーマに対し,診療情報を構造的に対応させる形で情報の相互連携を図ることで,(1)疾患名に対応したシェーマの部位別構造化を再検討し,(2)描かれたシェーマに疾患名を直接定義し,形態異常を視覚的に表現しながら文字情報として格納することを可能とする機能を開発した. (1)疾患名に対応したシェーマの構造化再検討では,臨床で用いられているシェーマを参考に整理を行い,疾患名や疾患の程度を分類し,それらに見合う形でベクトルシェーマの構造を再定義し,修正を行った. (2)連携モジュールの開発では,SVGフォーマット中に病名を示す”disease”タグを定義することによって,描かれたシェーマに疾患名を直接定義し,個々の疾患名などの文字情報と視覚情報であるシェーマとを相互に紐付け,形態異常を視覚的に表現しながら文字情報として格納することを可能とする機能を開発し,システム実装を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,ベクトルシェーマの構造を再定義することができ,また,連携モジュールの開発では,個々の疾患名などの文字情報と視覚情報であるシェーマとを相互に紐付け,形態異常を視覚的に表現しながら文字情報として格納することを可能とする機能を開発し,システム実装を行うことができたため,予定されていた計画を実施できたと判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,電子カルテに記載された診療情報の一部と,シェーマデータベースを統合させた先天性心疾患の患者情報データベースの試作を行い,その有効性を調査・検証する. 電子カルテの記録は,様々なフォーマットによる多様なデータの集合であり,データそのものは内部的には,多くがリレーショナル・データベースに収まっている.現状では,一つのシステム画面上で診療情報(患者の氏名,病名,主要症状,処方,処置など)の入力を可能とするものの,電子データとしては異なるテーブル内に保存される. このため,病院情報システムのデータが蓄積されているデータウェアハウス(DWH)より,病名等の診療情報を抽出する.診療情報を抽出する際には,個人が特定できない形で抽出するものとし,あくまでもベクトルシェーマと診療情報の連携のみを目的として,情報を取り扱うものとする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度内に発注した一部物品についての納品が年度内に間に合わず,次年度に計上することとなった 平成26年度に実施する研究成果を発表するための学会への参加費用や学術雑誌への投稿料,それらに付帯する英文校閲費用や関連図書購入のための費用,及び最終年度であるため,資料整理のための謝金と記録用媒体の費用を計上する
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Research Products
(2 results)