2014 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ医薬品の安全性予測/評価システムの構築を目指した安全性評価マーカーの探索
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25750194
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東阪 和馬 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (20646757)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノマテリアル / 安全性評価マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
組織浸透性や薬剤保持・徐放性などに優れたナノマテリアルを、医薬品の送達デバイスとして活用しようとするナノキャリアは、近年、急速に研究開発とその実用化が進んでいる。一方で、開発されたナノマテリアルの安全性評価や安全性の確保、安全なものへと仕立て上げるための研究は立ち後れている。即ち、第一義的に健康確保を考えた場合、最も重要な、ナノマテリアルの安全性を開発段階において事前に評価する方法に関する研究は、有効性・有用性の追求研究の影となり、殆ど進展していないと言える。本観点から当該研究は、ナノ医薬品の有効性・安全性を確保するための評価マーカーの開発を図ることで、その有効性・安全性を研究開発段階で簡便かつ迅速に評価する「予測・評価創薬」システムの確立を目指すものである。H25年度には、①急性期蛋白質がナノマテリアル投与による生体影響を予測する安全性評価マーカーになり得ること、②急性期蛋白質と同様に、造血因子として知られているサイトカインが、非晶質ナノシリカ投与により誘発される負の生体影響の指標となる安全性評価マーカーになる可能性を見出した。H26年度には、ナノマテリアル投与により誘発される生体影響を特異的に評価し得る安全性評価マーカーの絞り込みを目的に、安全性評価マーカーの候補蛋白質の変動と生体影響との連関解析を図った。その結果、非晶質ナノシリカを投与することで、上記サイトカインの増加に伴う末梢血好中球数の増加が誘導されることを明らかとした。現在、非晶質ナノシリカ投与による各種生体影響の発現機序の解明に向けて、非晶質ナノシリカ投与による好中球の増加・活性化の観点から解析を試みている。
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Research Products
(3 results)