2015 Fiscal Year Annual Research Report
視覚刺激による脳可塑的変化を誘発するリハビリテーション戦略の開発
Project/Area Number |
25750203
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野嶌 一平 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20646286)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 運動学習 / 可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動錯覚を伴う視覚刺激による運動機能の改善については、その生理学的なメカニズムだけではなく、その適応についても不明な点が多くあった。特に、古くから報告されている両手間の学習転移の関与について十分に検討する必要があった。そこで、視覚刺激を誘発するために対側肢の運動が必要であるミラーセラピーだけではなく、運動錯覚を伴う視覚刺激単独入力の際の大脳皮質一次運動野の興奮性変化と、運動機能改善の関係について詳細に検討した。そして、皮質レベルにおける可塑的変化が、運動を伴わない視覚刺激入力を用いた介入で誘発されることを明らかにした。 また臨床への介入については、現在進行形ではあるが、脳卒中片麻痺患者で回復期病棟へ入院された患者に対する効果について、系統的に検討している。更に、代表的な進行性の神経疾患であるパーキンソン病患者においても、上肢機能低下が日常生活動作を制限してくることが報告されており、現在経頭蓋直流電気刺激(tDCS)とミラーセラピーを組み合わせた介入の効果を検討している。パーキンソン病患者に対する介入の効果としては、健常高齢者と同程度の効果が組み合わせ介入によってみられている。このパーキンソン病患者に対するtDCSとミラーセラピーの組み合わせは、大脳皮質の興奮性を外的に向上させることで運動機能の改善を誘発できる可能性を示唆しており、今後臨床応用が進んでいく可能性を示している。またパーキンソン病患者に対する介入では、姿勢などへの効果も併せて検討している。
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Research Products
(13 results)
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[Book] 情報機構2015
Author(s)
野嶌一平、鈴木重行
Total Pages
11
Publisher
今後の超高齢化社会に求めれる生活支援