2013 Fiscal Year Research-status Report
発達障害者の「運動の不器用さ」解明のための定量的評価法の開発
Project/Area Number |
25750205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
車谷 洋 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 講師 (00335647)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 発達障害 / 適応 / 運動不器用 |
Research Abstract |
本研究は外的変化への身体運動の適応を利用した発達障害者の協調性の評価方法構築を行うことを目的とし、本年度は定量的評価方法の構築、および健常者を対象とした基礎データの収集を実施した。 まず、定量的評価方法の構築を行った。本研究では、外的変化に対する身体運動の適応過程を捉えることで、身体運動の協調的変化を定量的に計測する方法を考案した。外的変化は対象者の意図によらない漸増的な歩行速度の変化とし、この外的変化に対する身体運動の適応変化を歩行指標のストライド時間、身体運動を反映する関節角度および筋活動の変化で評価する方法を構築した。感覚過敏などのある発達障害者ではセンサのコード類が気になり評価が困難となる可能性もあるため、ワイヤレスセンサのみを利用して評価ができるよう工夫した。予備的研究の結果、歩行動作時に動作制限をほぼ感じることなく、安定したデータ収集が可能であった。 次いで、漸増的歩行運動を課題に利用して、健常者を対象としてデータ収集を行った。歩行課題は、歩行速度が低速歩行(0.5m/s)から速歩(2m/s)まで段階的に増加する課題とした。健常成人男性を対象として評価方法を実施したところ、当初の予測通り歩行速度の段階的増加ととにもストライド時間が段階的に減少する傾向が確認された。また、ストライド時間と歩行速度には負の相関関係があり、健常成人では歩行速度の増加とストライド時間の減少には一定の関係があることが確認された。 次年度は、健常成人データの収集を継続し、健常成人における漸増的歩行運動時の身体運動の適応変化の標準データの作成、および発達障害者を対象とした評価を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は発達障害者の「運動の不器用さ」の定量的評価を可能とするために、外的変化への身体運動の適応を利用した評価方法の構築を行い、発達障害者の「運動の不器用さ」の定量的評価法を開発することが目的である。 目的達成のためには、本年度中に定量的な身体運動情報の収集方法を含めた評価方法の構築が必要であった。結果、本年度中に研究遂行に必要な評価方法の構築ができ、次年度以降の健常者および発達障害者でのデータ収集と解析が行える基盤が整備できたと考えられる。以上より、本研究は概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の遂行に必須である評価方法の構築は本年度で概ね完成したと考えられる。歩行動作の評価をワイヤレスセンサで行う方法であるため、次年度以降に実施する発達障害者のデータ収集においても工夫のある方法となっている。 次年度は、健常成人データの更なる収集を行い、健常成人例での本評価法の標準値作成を行う。また、本年度で評価方法が概ね完成したので、発達障害者でのデータ収集も前倒しして行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
評価方法の構築が順調に進んだため、評価法に必要な追加機器の本年度内での購入が不要となり、次年度使用額が生じた。 次年度以降の研究計画の中で、評価法に機器の追加が必要となった場合等に次年度使用額を使用し、計測方法の簡便化を図るべく利用する予定である。
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