2015 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中片麻痺者の姿勢改善を目的としたTrunk Solutionの開発と評価
Project/Area Number |
25750217
|
Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
勝平 純司 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (00383117)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 体幹装具 / 脳卒中片麻痺者 / 動作分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は姿勢の改善と体幹前面筋群の活動の促通を目的とした抗力を具備した継手を有する体幹装具Trunk Solution(以下TS)を脳卒中片麻痺者に使用させ,その効果を評価し,片麻痺者に適した仕様にTSを改良するとともに評価システムを開発し,臨床応用による実用化を目指すものである.2015年度までに実施した研究実績として,脳卒中片麻痺者30名を無作為にTS装着群とダーメンコルセット装着群に分け,短下肢装具装着によるTSの相乗効果について検証した.結果としてTS装着時に片麻痺者の歩行パフォーマンスが向上し,短下肢装具とTSの同時装着を行うことで,前遊脚期の足関節底屈モーメントが増加して歩行速度が増加することがわかった.また,TSとIpadをWifiを用いて接続するツールを開発し,TSが胸部を押す力と筋電の同期計測および姿勢評価を可能にした.このシステムの臨床現場での試用を行い,TSを用いた歩行練習の効果をTSを用いない歩行練習の効果と比較した.結果として,TSを用いた歩行練習では前遊脚期における片麻痺者の体幹前傾角度が減少し,歩行パフォーマンスが向上するという結果が得られた.現在までに複数の片麻痺者を対象としたリハビリテーション病院にTSおよび評価システムを貸出し,TSの効果の評価を行っている.また,TSはそのデザイン性についても高い評価を受けており,2014年度のGood Design賞を受賞した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
片麻痺者に対するTSの効果検証を多角的に実施し,病院における評価も実施している.三次元動作分析装置によって膨大な量のデータが得られているため,解析に時間を要しているが,今年度前半にはすべて終了する見込みが立っている.
|
Strategy for Future Research Activity |
実験はすべて終了し,解析ツールもほぼ完成している.計測された膨大なデータ全体を今年度中に整理し,質の高い報告書として内容を報告できるよう研究を推進していく.
|
Causes of Carryover |
当初見込んでいたデータ解析についてはほぼ終了しているが,質の高い報告書として提出するために膨大なデータをまとめなおし,開発した体幹装具の効果をより客観的に導きたいと考えている.2015年度末に解析に必要な設備の見直しを行ったため,助成期間を1年延長するに至り,残額が生じた.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額は13,017円であり,今年度内に問題なく使用できる金額である.
|
Research Products
(4 results)