2014 Fiscal Year Research-status Report
脊髄損傷者における座位姿勢と臀部のずれ力-座面傾斜と背もたれ傾斜の影響-
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25750221
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
泉 美帆子 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 助教 (60511128)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 臀部ずれ力 / 座位姿勢 / 重心位置 / 下肢モーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脊髄損傷者の褥瘡発生を車いす座位における姿勢の変化と臀部に生じているずれ力に着目し、車いす形状が座位姿勢・臀部のずれ力に与える影響を明らかにすることである。 具体的な研究項目は、①椅子の座面傾斜角度(床の平行線と椅子座面のなす角度)の変化による、座位姿勢・臀部のずれ力の変化、②椅子の背もたれ角度(床の平行線と背もたれ角度)の変化による座位姿勢・臀部のずれ力の変化、以上①②を脊髄損傷者と健常者に対して実施することである。本研究は、対象者に対する健康保護の徹底、適切な臀部ずれ力の測定、適切な座位姿勢の設定が特に重要となる。 平成26年度は、測定に必要な仕様を備えた座位装置の発注・完成を得て(平成26年5月~9月)、測定機器の接続に必要なケーブルやアダプタ等の物品の準備、安全で有効な測定に向けた試行(平成26年10月~平成27年1月)、対象者の健康やプライバシー・利益などを守るなど研究倫理を遵守するための研究方法の検討を重ね、倫理委員会の承認を得た(平成27年1月)。その後も、試行を重ね複数の測定データの集積、解析する方法に関して機器の専門家を交えて検討を実施した(平成27年2月~3月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、対象者に対する健康保護の徹底、適切な臀部のずれ力の測定、適切な座位姿勢の設定が重要なポイントとなる。 平成25年度にリハビリテーション工学技士に助言を得ながら検討を重ねた結果、臀部に発生しているずれ力を適切に測定するためには4つの測定機器を用い、かつ16条件の座位姿勢での測定が必要となった。1人の対象者あたり座位姿勢条件は8条件とするが、4つの測定機器を用いるため、測定において拘束時間が長くなるなど対象者の負担が大きくなる可能性がある。従って、対象者の負担を減らすためにデータ測定・収集・集積に関して不具合が生じないように機器の専門家と検討を重ねた。そのため研究計画よりも実施状況が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年5月より健常者の被験者を募集し、測定を開始する。平成27年8月末まで目途に測定を実施する。随時、データの解析を行い、脊髄損傷者に安全でかつ必要な測定方法を決定し、本学の倫理委員会の承認を得る。その後、脊髄損傷者の被験者を募集し、測定を開始する。 脊髄損傷者を被験者とする測定において、対象者の健康保護のために健常者と同様の計測方法は困難な可能性がある。脊髄損傷者の被験者の健康保護を第一に考え、安全な測定を第一とする。脊髄損傷者から得られた結果を基に、健常者への追加測定等を検討・実施し本研究の目的を遂行する。
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Causes of Carryover |
本研究で重要な役割を果たす座位装置の製作に関する費用が、当初の計画よりも高額となった。そのため、平成26年度の研究遂行にあたり必要としていた被験者への謝金といった人件費、研究協力者の旅費、座位装置のメンテナンス費用、追加研究として必要となる摩擦係数の異なる材料購入費が不足してしまった。従って、前倒し支払い請求の手続きを行い、平成27年度分の費用を前倒しで交付していただいている。 しかし、被験者の健康保護を第一とし測定時の負担を減らすために平成26年度はデータ集積方法等の検討・試行にあてる必要が生じ被験者への謝金が発生していない。また、研究協力者の助言がメールで得られたため研究旅費が発生していない。そして、座位装置は不具合が生じずメンテナンス費用が発生せず、追加研究に関しても脊髄損傷者の測定終了後に実施予定としたため追加研究用の材料を購入をしていない。以上の理由で、次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は健常者と脊髄損傷者に対する測定を実施するため、被験者謝金といった人件費・謝金を使用する。脊髄損傷者においては測定会場まで交通費も発生するため旅費を使用する。脊髄損傷者への測定終了後、本研究の目的遂行のために健常者において追加測定を実施する場合がある。測定に必要となる物品が不足している場合があり、その際は物品費を使用する。また、座位装置に不具合が生じた場合の修繕費、研究成果公表としての学会誌投稿として、その他経費を使用する。
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