2015 Fiscal Year Research-status Report
脊髄損傷者における座位姿勢と臀部のずれ力-座面傾斜と背もたれ傾斜の影響-
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25750221
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
泉 美帆子 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 講師 (60511128)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 臀部ずれ力 / 座位姿勢 / 重心位置 / 下肢モーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脊髄損傷者の褥瘡発生を車いす座位における姿勢の変化と臀部に生じているずれ力に着目し、車いす形状が座位姿勢・臀部のずれ力に与える影響を明らかにすることである。 具体的な研究項目は、①椅子の座面傾斜角度(床の平行線と椅子座面のなす角度)の変化による、座位姿勢・臀部のずれ力の変化、②椅子の背もたれ角度(床の平行線と背もたれ角度)の変化による座位姿勢・臀部のずれ力の変化、以上①②を脊髄損傷者と健常者に対して実施することである。本研究は、対象者に対する健康保護の徹底、適切な臀部ずれ力の測定、適切な座位姿勢の設定が特に重要である。そして、脊髄損傷者に対して安全・効果的に実施するための方法を検討するために、先ず健常者を対象とした測定と検討を重ねることが重要となる。 平成27年度(平成27年7月~平成28年1月)は健常者29名に対し測定(前述①②の研究項目)を実施した。椅子の座面傾斜角・背もたれ傾斜角を組み合わせた全16条件の座位条件にて実施した。29名の全対象者において全ての座位条件での臀部圧力が200mmHg以上となった。測定時の臀部の圧力を除圧・減圧する方法の検討のために、測定椅子の再調整を実施し、健常者に対する追加研究のための倫理委員会の承認を得た(平成28年1月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、対象者に対する健康保護の徹底、適切な臀部ずれ力の測定、適切な座位姿勢の設定が重要なポイントとなる。 対象者1人当たりの計測には、4つの計測機器を使用する。計測機器の特徴により、4つの計測機器を同時に扱えないため、同じ座位条件で2回の計測が必要となる。対象者の身体的・精神的・拘束時間の負担を減らすために、対象者1人当たり2日間に計測を分けて実施した。機器の使用可能な日程と対象者が協力可能な日程など合わない事が多くあり、計測が短期間で行えなかったため、研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年5月より健常者に対する追加研究の被験者を募集し測定を開始する。8月末までを目途に測定を実施し結果を分析する。また平成27年度の測定結果の分析を平成28年6月末を目途に行う。平成28年9月末に、脊髄損傷者を対象とした測定に対する倫理委員会への研究申請を行う。承認が得られ次第、脊髄損傷者の被験者募集を行い、測定を実施する。また平成28年10月末を目途に、平成27年度の研究成果を学会誌投稿などによって公表する。 倫理委員会の承認を得るのに時間を要した場合、脊髄損傷者の被験者募集から計測の終了、結果の分析、まで平成28年度中に終えられない可能性がある。その場合、研究期間の延長を申請し、本研究の目的を遂行する。
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Causes of Carryover |
計画では、①平成27年度に脊髄損傷者を被験者とした計測の実施、②実施場所は所属研究機関以外に会場を確保して実施、と予定していた。そのため平成27年には、被験者に対する謝礼、計測会場までの物品運搬費・交通費の使用を予定していた。しかし、研究に用いる計測機器の変更をしたため実施場所は所属研究機関になったこと、健常者を対象とした計測の実施であったため、脊髄損傷者の謝礼、計測会場までの物品運搬費・交通費を使用しなかった。以上の理由で、次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、健常者に対する追加研究と、脊髄損傷者に対する計測を実施するため、被験者謝金といった人件費・謝金を使用する。脊髄損傷者においては測定会場まで交通費も発生するため旅費を使用する。健常者に対する追加研究の結果で、物品の追加が必要な場合は物品を整備するため物品費を使用する。計測機器に不具合が生じた場合は修繕費を使用する。また、研究成果公表として学会誌に投稿するため、その他経費を使用する。
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