2014 Fiscal Year Annual Research Report
運動時脳血流変動への血管内皮機能の影響と神経活動に由来する皮質血流の描出
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25750228
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
椿 淳裕 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (50410262)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 動的運動 / 酸素化ヘモグロビン / 近赤外線分光法 / 血管内皮機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者のこれまでの研究により,高強度での短時間の動的運動中に脳血流量が急激に変動することを明らかにした.運動療法の安全性を高めるためには,動的運動中の脳血流量変化の要因を明らかにすることが非常に重要かつ喫緊の課題である.本研究の目的は,運動療法介入における脳循環に着目したリスク管理指標を作成するため,動的運動中の脳血流量変化と活動筋の血流量変化,体循環変動に関連する指標を計測し,血流配分の点から脳血流量の変化が生じる要因を明らかにすることである. 健常成人を対象に,自転車エルゴメータによる下肢ペダリング運動を,低強度(最高酸素摂取量の30%),中強度(同50%),高強度(同70%)の3種類の運動強度で実施した.この間の頭部酸素化ヘモグロビン(O2Hb)は,粗大運動時のモニタリングに最適とされる近赤外線分光法(NIRS)により,脳酸素モニタ(OMM-3000,島津製作所)を使用して計測した.国際10-20法によるCzを基準として30mm間隔で送光プローブと受光プローブを配置し,34チャネルで測定した.また同時に15mm間隔で9チャネルでの測定の実施した.運動課題実施中は,平均血圧,心拍数,心拍出量,末梢血管抵抗,酸素摂取量,二酸化炭素排泄量を測定した.これとは別に,血管内皮機能の影響を検討するため,血流依存性血管拡張反応(FMD)を計測した. その結果,いずれの運動強度においても運動終了後に急激なO2Hbと平均血圧の低下を認めた.このとき,心拍数,心拍出量,末梢血管抵抗,下肢筋血流量の変動は緩やかであり,急激なO2Hb低下との関連は示されなかった.また,血管内皮機能と急激なO2Hbの低下との関連を示すことはできなかった.急激なO2Hb低下には,頭蓋内での血流変化が影響している可能性が考えられ,今後検証を進めていく必要がある.
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Research Products
(7 results)