2013 Fiscal Year Research-status Report
前意識的な社会的認知の解明 -社会性の客観的評価の開発に向けて-
Project/Area Number |
25750230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
中川 与四郎 中部大学, 生命健康科学部, 助教 (70582550)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会的認知 / 前意識的脳反応 / 視覚誘発電位 |
Research Abstract |
本件研究の目的は、前意識的な社会的認知を脳反応で捉えることを目的とした。 平成25年度は前意識的な社会的認知を誘発する視覚刺激の作成と事象関連電位の記録に取り組んだ。顔画像刺激によって惹起される視覚誘発電位を指標として、異なる社会的状況画像を先行呈示することによって顔画像刺激によって誘発される視覚誘発電位の計測・解析を行った。結果として顔画像刺激呈示後140msec-180msecの振幅について有意差を認めた。このことから先行する社会的文脈刺激により表情に対する自動的レベルの脳反応でも影響を受ける可能性が示唆された。おおむね実験計測を確立できた。今後は、注意や意識的認知過程が影響しない視覚刺激に修正し、前意識的レベルでの社会刺激認知過程に関連する視覚誘発脳反応を、脳磁計を用いて検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度分の研究計画については、社会的文脈による表情に対する自動的な脳反応への影響の検討を行った。健常者を対象に脳波を計測し、異なる社会的文脈画像を先行呈示した際には、同じ表情でも顔画像刺激に対する視覚誘発電位が変化することを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、前意識的社会認知を誘発する刺激を改善し脳磁計により計測・解析を行う。脳磁計は脳波計よりも時間分解能・空間分解能が優れているため、申請書に記したように平成25年度に作成した視覚刺激を修正し、実験を行う予定である。収集したデータを用いて、神経活動部位と神経活動のタイミングを解析し、前意識的レベルでの社会的認知の神経基盤を明らかにする。またそれらの結果を順次、学会発表、論文投稿を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は脳波計による計測を行ったため、高性能の解析用PCおよび機器を購入しなくても解析ができた。そのため購入予定だったPCおよび機器を次年度まで見合わせた。次年度は、脳磁計による計測を計画している。 高性能PCとソフトの未購入、学会発表用旅費など前年度未使用の研究費があるが、次年度以降に、被験者に対する謝金、ソフトの購入、機器の購入、学会発表用の旅費に研究費を使用する予定である。
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