2015 Fiscal Year Annual Research Report
健康関連QOLに着目した、新たな肺がん葉切除術前後のがんリハビリテーションの開発
Project/Area Number |
25750240
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
阿波 邦彦 京都橘大学, 健康科学部, 助教 (60633344)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肺がん葉切除術後 / がんリハビリテーション / 健康関連QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
目的は、肺がん葉切除術前後の研究参加者の身体・心理・社会的背景を総合的かつ客観的に検証し、健康関連QOLが変化する要因を解明すること、長期的な在宅指導プログラム開発のための足掛かりとなることである。これにより、肺がん葉切除後のがんリハビリテーション、在宅指導作成の一助になるための基礎研究である。 平成26年度は、肺がん葉切除術後の患者は、健康関連QOLが低下することが明らかとなった。さらに治療過程で受けた身体的・心理的なダメージに加え、術前からの運動能力がすでに低下していることも明らかとなった。平成27年度は、平成26年度から継続している健康関連QOLの変化を縦断的に観察し、身体機能と健康関連QOLの変化のミスマッチが明らかとなった。具体的には、高齢肺がん患者の運動機能は術後1ヶ月足らずで回復させることが可能であったが、健康関連QOLは術前の状況まで回復するのに3か月以上を要することが明らかとなった。このことから、高齢肺がん患者に対して、運動能力を維持・向上させるだけでは健康関連QOL対策としては不十分であることが示唆された。慢性閉塞性肺疾患患者などにおいて、生命予後や健康関連QOLの改善のために身体活動に着目した指導が注目されており、本研究でも、在宅指導において身体活動指導を含む術後指導が健康関連QOLの早期回復を促す可能性が示唆された。そのため、健康関連QOLの早期回復を目的とするためには、身体活動を意識したセルフマネジメントを含む指導が重要である可能性が示唆される。
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