2014 Fiscal Year Annual Research Report
新たなCOPD多因子評価による肺癌周術期呼吸リハビリテーションの効果
Project/Area Number |
25750241
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
羽森 貫 大阪医科大学, 医学部, 助教 (90581207)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 呼吸リハビリテーション / 慢性閉塞性肺疾患 / 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
手術適応となる肺癌患者の増加に伴い周術期の呼吸リハビリテーション(以下:呼吸リハ)が推奨されている。しかし、手術適応となる肺癌患者に慢性閉塞性肺疾患(以下:COPD)を合併する場合も多く、COPDは肺癌の治療成績にも重大な影響をおよぼすため、肺癌とCOPDの双方に対する周術期ケアが重要である。BODE(Body-mass index, airflow obstruction, dyspnea, exercise capacity) indexは、Celli らによって報告されたCOPDの多因子重症度評価であり、重症であるほど点数が高く算出される。そこで、BODE indexがCOPD合併肺癌患者に対する周術期の呼吸リハの効果判定に有用であるかを検討した。対象は7名(男性5名、女性2名)、年齢は66~77歳、肺癌病期はⅠA~ⅡB期、COPD病期はⅡ~Ⅳ期であった。呼吸リハに精通した理学療法士が実施し、手術は肺葉切除術を基本術式とした。呼吸リハ介入により術前BODE indexの改善を認めたものは57%で、その内半数は退院時のBODE indexも良好に維持したが、他の半数は退院時のBODE indexは呼吸リハ開始時の値に戻った。呼吸リハ介入により43%は呼吸リハ開始時と術前BODE index の変化を認めず、その内1例は術後のBODE indexの悪化を認めたが、全例において周術期死亡なく、独歩退院した。各症例において周術期を一貫してCOPDの重症度評価をすることに意義があり、生命予後と呼吸リハの効果を正しく評価できる手法の開発と呼吸リハの有用性のエビデンスを明らかにすることは非常に重要である。BODE indexを呼吸リハの効果に使用した報告は未だ少ないが、COPD合併肺癌患者に対する周術期の呼吸リハの効果検討にBODE indexは有用であることが示唆された。
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