2014 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病の前屈，側屈姿勢異常に対する直流前庭電気刺激による評価，介入の試み
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25750246
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| Research Institution | Kio University |
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Principal Investigator |
岡田 洋平 畿央大学, 健康科学部, 助教 (80511568)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | パーキンソン病 / 姿勢異常 / 直流前庭電気刺激 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は，パーキンソン病の前屈姿勢と側屈姿勢に対する直流前庭電気刺激(GVS)の即時効果について単盲検無作為化シャム対照クロスオーバー試験にて検証した。 対象は，前屈姿勢を呈する患者7名，側屈姿勢を呈する患者6名とした。側屈姿勢を呈する患者7名中2名は薬剤誘発性の姿勢異常の可能性がある症例，また1名はパーキンソン病発症前からわずかに姿勢異常を呈する症例であった。各群に対して両耳単極法GVSとsham刺激を無作為の順序で1週間空けて実施した。評価項目は，前屈姿勢を呈する患者は体幹前屈角度，側屈姿勢を呈する患者は体幹側屈角度と空間に対する頸部の傾斜角度とした。
前屈姿勢を呈する患者において，GVS後のみ開閉眼体幹前屈角度が有意に改善した。しかし，体幹前屈角度の変化量は閉眼立位時のみGVSの方が，シャム刺激よりも有意に大きかった。側屈姿勢を呈する患者においては，GVS，sham刺激とも体幹側屈角度に有意な変化は認めなかった。6名のうち薬剤誘発性の姿勢異常の可能性のある2名，発症前から姿勢異常を呈した1名を除外した3名は，全員GVS後体幹前屈角度が改善した。また，空間に対する頸部の傾斜角度はGVS後のみ有意に減少した。
本研究結果より，両耳単極法GVSはパーキンソン病患者の前屈姿勢を効果量は小さいものの改善する可能性があること，側屈姿勢を呈する患者は空間に対して頸部の傾斜を伴うがその傾斜角度を軽減する可能性があることが示された。
本研究結果は，パーキンソン病関連の国内，国際学会，日本神経治療学会の孫組織である神経難病リハビリテーション研究会，国際誌Neuroreportにて公表し，現在他の国際誌2誌に投稿中である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
姿勢異常に対する直流前庭電気刺激の即時効果に関する検証はほぼ完了している。姿勢異常を呈するパーキンソン病患者の前庭機能評価については，当初予定していた重心動揺計と直流前庭電気刺激を用いた計測ではパーキンソン病患者の姿勢動揺の影響のため困難であった。そのため，平成26年度は直流前庭電気刺激と誘発筋電図を合わせて前庭脊髄路の機能を評価する方法の模索や垂直認識を評価する機器の作成などを行った。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後はパーキンソン病患者の前庭機能評価のため，まず前庭脊髄路の機能を評価する方法を健常者において確立し，可能であればパーキンソン病患者においても評価していく。垂直認識を評価する機器は作成済みであるため，評価のプロトコールを定め，パーキンソン病患者を対象に評価していく。
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| Causes of Carryover |
おおむね予定通り助成金を使用させていただいておりますが，学会参加などに伴う旅費が予定よりわずかに少なっているため，次年度に5361円繰り越させていただきます。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越金は次年度の研究備品購入に使用させていただきたく予定です。
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