2017 Fiscal Year Annual Research Report
Influence of physical fitness on a tendency to fall
Project/Area Number |
25750249
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
里中 綾子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 特任助教 (80632497)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 転倒リスク / 全身持久力 / 日常身体活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度はこれまで得られた全身持久力の指標である最大酸素摂取量、日常身体活動量および転倒リスクに関するスコアに関するデータを整理し、研究グループあるいは本研究に関連する他の研究グループからの意見の集約を行った。さらに必要となるサンプル数を得るための追加実験を行った。新しい知見として全身持久力、筋持久力の低下とともに転倒のリスクが高まる可能性が得られる見込みである。また国内外における高齢者の日常生活の観察やインタビュー等を通して、日常身体活動の量的あるいは質的な違が全身持久力や転倒リスクに影響している可能性が考えられたため、ケース別のデータを整理することで今後の研究の展開について考察することができそうである。これまでのデータの総括を行い、新たな知見に関して今後も学会や論文において社会に発信する用意を行っている。 本研究の全体を通して、高齢者の全身持久力測定や日常身体活動に関するデータを得ることの難しさもあったが、転倒に関連する原因については様々な因子が相互に作用していることが考えられた。特にケース検討を通して、日常身体活動量が多い人で速筋を動員する短時間・高強度の身体活動や運動を日常的に行っている人では、筋委縮があまり見られず、全身持久力の低下率が低い傾向にあった。逆に日常身体活動量は非常に多く1日中動き回っている人でも短時間・高強度の瞬発的な動作が少ない人では筋委縮(サルコペニア)や全身持久力の低下が観察される人も多く、筋委縮や全村持久力の低下を防止するために適した身体活動について新しい知見が得られる展望が開けたと考える。本研究は引き続き高齢者や障がいのある人を対象に継続して行い、体力低下に伴う転倒を防ぐための新しい指針を提案することを目標としたいと考えている。
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