2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒトの心理・習熟状態を察して自律学習する上肢BMIリハビリ機器の開発研究
Project/Area Number |
25750251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
加藤 龍 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (70516905)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 知能ロボティクス / 医療・福祉 / 機械学習 / ユーザ・インタフェース |
Research Abstract |
本研究では,リハビリ機器が使用者の生体情報から心理状態や習熟状態を”察して”適切な運動自由度を提供し,かつ使用者の潜在的な能力を引き出すようなインタラクションを行うこと,多くの運動自由度を有し複雑な操作を要するリハビリ機器でも容易に習得できるリハビリシステムの実現を目指す. 平成25年度では,(1)操作能力や心理状態,習熟状態を推定するための使用者内部状態のモデル化,(2)使用者の能力推定に基づく自律学習型運動意図推定手法の構築,(3) 機能代償・回復のための機械補助・神経刺激型リハビリロボットの開発を行う.(1)では,麻痺症状を麻痺グレードによって分類し,麻痺症状と必要なリハビリ内容に応じた制御が可能となるよう選択可能な制御入力(角度,筋電)を,被験者実験を通じて体系化を実施した.また,リハビリ機器の運動意図推定結果が使用者の意図どおりであるかを自律的に判断するために,脳波(ERP)や皮膚電位などを用いた定量化を試みた.(2)では,操作習熟度(筋電から算出される動作クラス間の分離度)から訓練データ毎に適応度を点数づけそれに基づき訓練データが生成・淘汰されるような強化学習ベースの推定手法を構築した.それにより,訓練初期の不必要な訓練データを淘汰でき,識別率の向上が見られた.(3)では,ワイヤ駆動型外骨格型上肢パワーアシスト機構(機能回復)及び脱臼を許容し粗雑な扱いを受けても故障しないすべり関節有する骨格機構を併用した上肢義手(機能代償)の開発を行った.しかし,(1)(2)の基礎理論の構築の注力したため,当初予定していた麻痺肢筋群と感覚フィードバックのための多点表面電気刺激装置は平成26年度に開発を持ち越すこととなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究開発項目は,(1)心理状態や習熟状態の推定とそれを用いた筋電動作識別に関する基礎理論の開発と(2)リハビリテーション機器の開発に2種類に大別される.(1)に関しては,心理状態および習熟状態の定量化については,次年度より再現性の高い特徴量の抽出は必要とはなるが概ね計画通りの達成度である.一方,(2)に関しては,(1)の構築・検証を先行および注力して行ったため,先行研究で開発した機器の一部改良に留まった.そこで平成26年度に,研究予算を繰越し,次年度も開発を継続することとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,機能代償・回復のための機械補助・神経刺激型リハビリロボットの開発を中心に,研究開発を進めていく.特に,麻痺肢筋群制御と感覚フィードバックのための多点表面電気刺激装置の開発を進め,電気刺激が制御信号となる生体信号のアーチファクトとならないような同時計測手法を確立する.また,生理指標からの心理状態の定量化についても,より再現性の高い特徴量の探索を行う.さらに,自然な形での操作習熟が可能となるよう,低筋収縮時の筋活動でも制御可能な識別手法の開発なども行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究開発項目は,(1)心理状態や習熟状態の推定とそれを用いた筋電動作識別に関する基礎理論の開発と(2)リハビリテーション機器の開発であったが,(1)の基礎理論の構築・検証を優先および注力して行ったため,リハビリテーション機器開発が先行研究で開発した機器の一部改良に留まった.そこでリハビリ機器の開発費用を平成26年度に繰越し,平成26年度に基礎理論で制御されるリハビリ機器の開発を行うことにした. 平成26年度では,研究予算(直接経費約2,400,000円)として,リハビリ機器の開発(筋電義手,パワーアシスト機,および電気刺激装置の試作:1,500,000円)及び基礎理論検証のための被験者謝金(200,000円),実験者補助者謝金(300,000円),及び成果公表のための費用(400,000円)を計上する.
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Research Products
(5 results)