2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25750282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
林 洋輔 筑波大学, 体育系, 研究員 (60645555)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 若手研究者奨励賞 / 知恵の探求 / 他者への貢献 / 実際的学問 / 学問の樹 / 全体像および独自性 / 体育学 |
Research Abstract |
平成25年度の当研究課題において、発表者は後述するように学会発表を通じた若手奨励賞を受賞するなど、研究内容および成果に一定の評価が与えられたと結論づけられる。当該年度の研究成果については、以下のようにまとめられる。 まず、研究資料をフランス哲学および体育原理分野から取り寄せることによって検討が開始された。というのも、本研究は体育原理(哲学)分野の未検討課題をデカルト哲学の視点から解決するプロットを有するからである。そしてこれらの資料を通じた文献研究により、先行研究の概要および本研究課題の<目玉>となるデカルトの「学問の樹」およびそれらを援用した研究成果の青写真など計画段階にも増して明瞭なものとなった。 発表については、2013年7月における「日本体育学会体育哲学専門領域 夏季研究合宿」において成果の概要を発表し、体育哲学分野の諸研究者より検討の機会をいただいた。そして先行研究のより詳細な検討の必要性、「学問の樹」とは体育学に限定されたものであるかなどの批判が提起され、研究代表者はより根本的な段階から計画の再考を迫られた。というのは、本研究が取り組む課題――体育学の全体像および独自性――について、研究代表者の議論の進め方に「甘さ」が見られ、再度文献資料の抜本的な見直しの必要性が認識されたからである。 翌8月の研究成果発表(日本体育学会第64回大会)においては、研究代表者の努力が認められ、当該成果発表は「若手研究者奨励賞」を受賞した。この受賞の背景と考えられるものとしては、①先行研究の再検討の成果②仏語文献を中心とする文献資料の充実を通じた議論の堅固化③「知恵の探求」「他者への貢献」「実際的学問」など体育学の学的特徴と考えられる仮説を体育原理分野の資料により説得力ある形で提示することの達成といった諸原因が挙げられよう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果は2013年8月の学会発表における「若手研究者奨励賞」受賞により、おおむね議論の妥当性が確認された。平成26年度は研究資料の取り寄せおよび情報収集、そして研究成果を論文として発表することを予定しているところだが、研究成果はすでに原著論文として初回投稿を済ませている。査読(修正再審査)によって研究資料の増強を予定しているものの、これまで研究代表者は今回の投稿先学術雑誌に投稿・受理された実績を複数有しており、今回の成果論文も約1年という余裕ある期間で掲載へ向けた努力を行うことができる。したがって研究計画通りの進捗を進めていると結論づけられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は現在のところ「順調」である。投稿中の論文における査読の結果によっては使用する研究資料の変更や追加、削除などを随時行う必要がある。より偏りのないパースペクティブから議論を進めるには、論文の論理を裏付けるための「主力」となる仏語文献だけではなく、英語文献や状況によって独語文献も、必要とされることが見込まれる。研究代表者として諸学会・研究会での聴講を通じた情報収集を図るとともに、デカルト哲学に関する最新の研究資料を取り寄せ、より説得力ある議論の構築に努めたい。
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