2014 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ行為者の性格構造形成に影響を及ぼすスポーツ組織研究‐国際比較を踏まえて‐
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25750284
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
笠野 英弘 筑波大学, 体育系, 特任助教 (20636518)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スポーツ組織 / スポーツ制度 / 社会的性格 / 性格構造 / サッカー / 劣等感 / 疎外感 / 不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,高度化への偏重がもたらすスポーツ行為者の劣等感,不安,疎外感などの問題を,スポーツ組織が主体的にその構造を変革することで解決することができるというメカニズムを,諸外国の場合との比較を含めて示すことである. 平成26年度は,前年度に実施したドイツでの調査結果をまとめるとともに,計画通り,ブラジルのサッカー行為者とブラジルサッカー連盟関係者へのインタビューを実施し,その調査結果をまとめた.ドイツにおける調査においては,ドイツサッカー連盟及び4人のドイツ人アマチュアサッカー実施者に実施したインタビューをテープ起こしするとともに,その内容を検討した.ブラジルにおける調査では,ミナスジェライス州元プロサッカー選手協会,同州サッカー協会,3人のブラジル人アマチュアサッカー実施者にインタビューを実施し,ブラジルのサッカー状況及び対象者がこれまでどのようにサッカーと関わってきたのか等について調査した.そして,そのインタビュー内容をテープ起こしするとともに,ブラジルでのサッカー状況やサッカーに対する考え方等を検討した. 次年度には,ドイツ及びブラジルにおける調査結果のまとめを,日本における状況と比較しながら,平成25年度に示した「スポーツ組織―スポーツ制度―スポーツ行為者の社会的性格(性格構造)」の構造的関係について分析する.その分析結果から,今後のスポーツ組織の在り方についても若干の提言を試みたい. ブラジルは2014年のサッカーW杯を開催し,ドイツ代表サッカーチームはそのW杯で優勝しており,両国は,サッカーにおいて,その競技レベルだけでなく,グラスルーツの環境等についても先進国といわれているため,この2国と日本を比較し,日本の課題を検討することは大きな意義があると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,平成26年度は,平成25年度に実施したドイツでの調査結果をまとめ,ブラジルのサッカー行為者とブラジルサッカー連盟関係者へのインタビューを実施した.また,ブラジルにおける調査結果についてもまとめ,その内容を検討することができ,予定どおり順調に進展している.ただし,ドイツ・ブラジルの調査結果の分析にまでは至っていないため,次年度は早々に分析を開始する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,前年度までに実施したドイツ及びブラジルでの調査結果から,それぞれの国における「スポーツ組織―スポーツ制度―スポーツ行為者の社会的性格(性格構造)」の構造的関係について分析を行う.そして,その結果を日本の場合と比較することで,日本におけるスポーツ(サッカー)行為者の性格構造形成に影響を及ぼすスポーツ組織(日本サッカー協会)について,その現状と課題を示すとともに,若干の提言を試みる.
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