2014 Fiscal Year Research-status Report
持続的スポーツ・ツーリズムの社会的特性に関する実証研究
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25750296
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
村田 周祐 東北福祉大学, 総合福祉学部, 助教 (00634221)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フィールドワーク / スポーツ・ツーリズム / モノグラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
「スポーツの論理」と「地域の論理」を切り結ぶ理論構築を求め、理論的にはイギリスの社会学者ジョン・アーリの「観光のまなざし」論および竹内利美の生活組織化論の批判的検討を、実証研究として千葉県鴨川市におけるサーファーと漁師の軋轢と共存に関するモノグラフを書き上げた。その具体的成果として以下の業績を執筆した。村田周祐、2014、「地域空間のスポーツ利用をめぐる軋轢と合意 ―生活基準の関係にもとづく漁師とサーファーの共存―」『ソシオロジ』181、3-20. 上記の論考によって当初の目的の50%近い程度の成果を得ることができたように感じている。さらに研究を進展させるべく千葉県鴨川市でのフィールドワークを実施し、参与観察、聞き取り調査、調査資料の収取を継続している。特に、大浦地区の定置網漁船団の生業活動や集落内における日常的な集団活動に同行することで、都会から移住したサーファーが「漁師になっていく」社会化のプロセスや、定置網船団という生産組織が「生活組織化」していくプロセスを対象化し記述していく作業を進めている。今後は、定置網船団とサーフィンやサーファーの関係にとどまらず、大浦集落の機能組織や年序性別組織にまで視野を広げ「スポーツの論理」と「地域の論理」の関係性を再構成しなくてはならないと感じている。また、理論的にも日本の農村社会学の英知を批判的に踏襲し現代用に翻訳しながら、現実を対象化していく方法論を確立していかなくてはならない。そこから「スポーツの論理」と「地域の論理」が切断されていくリアリティと、結びついていくリアリティを描き出すことが可能となることを期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールドワークおよび執筆が予定通りに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究をより進めていくためには、現場での問いを研ぎ澄ましていくこと、さらにその問いを対象化していく方法論の必要である。そのためには、より現場へと足を運ぶ必要と竹内利美の生活組織化論を批判的に踏襲していく必要性がある。
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Causes of Carryover |
計画予定していた調査が現地の諸事情や気象状況によって複数回にわたって実施できなっかたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度中に、現地調査の回数を増やす。
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Research Products
(1 results)