2014 Fiscal Year Research-status Report
低強度の異なる運動条件におけるレッグプレス運動が下肢筋群の協働筋活動に及ぼす影響
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25750303
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
向本 敬洋 日本体育大学, 付置研究所, 助教 (60586147)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レジスタンス運動 / 協働筋活動 / レッグプレス / 低強度・低速度反復 |
Outline of Annual Research Achievements |
レッグプレスは膝関節と股関節を同時に伸展および屈曲を反復する二関節運動であり、大腿四頭筋と大臀筋が主働筋をなり、ハムストリングと内転筋群は補助的に働くことはよく知られている。しかしがなら、異なる運動条件によるレッグプレス運動における下肢筋群の表層部および深層部の筋活動パターンや協働筋活動について不明である。そこで本研究は、筋の深層部の活動状態を定量化できるmfMRIのT2値を用いて、異なる運動強度および反復動作速度と、事前疲労法によるレッグプレス運動が下肢筋群の協働筋活動に及ぼす影響を検討し、これらの運動条件によるレッグプレス運動における下肢筋群の協働筋活動の特徴を明らかにすることを目的とした。 平成26年度は、研究1として、低強度・低速度反復条件のレッグプレス運動が高強度・通常速度反復条件と同等の股関節伸展筋群および臀筋群のT2の増加率が確認され、さらに、股関節屈曲筋群内側部および内転筋群のT2値の増加率では低強度・低速度反復条件のレッグプレス運動の方が高強度・通常速度反復のそれよりも有意に高値を示したことを国外の学術会議で発表した。さらに、研究2として、主働筋を事前に疲労させることによって多関節運動時の協働筋活動が促進する可能性があると仮説を立てた。そこで、レッグプレス運動の前に、膝伸展運動を行い、事前に主働筋である大腿四頭筋を活動、あるいは疲労させてからレッグプレスを実施する条件における下肢筋群の協働筋活動を検討した。その結果、膝伸展運動による事前疲労法は、レッグプレス時に、殿筋群のT2値に対しては顕著な増加率は確認されなかったが、大腿筋の協働筋活動、とくに内転筋群の活動を高めうることが示唆された。この要因は、事前に主働筋を活動、あるいは疲労させてからレッグプレス運動を行うことで、運動中に協働筋内の活動交替,または主働筋の活動抑制が引き起こされることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究2の分析が当初計画していた期間よりもやや遅れており、現在分析中のデータもある。また、平成26年度中に国内外の雑誌論文に投稿することを目指していたが、現在作成中であるため、「(3)やや遅れている。(Slightly Delayed)」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も本年度の研究成果を国内外の学術会議と学術専門誌で発表することを目指すと同時に、現在進行中である、レッグプレス運動の前に主働筋群を事前に活動、あるいは疲労させる運動条件(事前疲労法)がレッグプレス運動時の下肢筋群の協働筋活動に及ぼす影響について更なる分析を進め、可能であれば運動条件数を増やして実験を進めたい。最終年度ではこれらの成果を詳細にまとめ、レジスタンス運動における新たな運動方法の開発につなげられる資料を構築することを目指す。
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Causes of Carryover |
本年度は、主に学会発表とデータ分析に重点を置いて本研究を進めていったため、実験回数が減ってしまい、それに伴う実験協力者への謝金等の支出が予定より少なくなり、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験時の消耗品と実験協力者への謝金および交通費、学会発表などの旅費等で使用する予定である。
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