2013 Fiscal Year Research-status Report
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25750306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹村 瑞穂 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助手 (70634351)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遺伝子ドーピング / エンハンスメント / 倫理学的枠組み / 国際研究者交流(アメリカ) |
Research Abstract |
平成25年度は、遺伝子ドーピングの倫理学的枠組みを構築するための原理的研究を行った。具体的には、1)遺伝子ドーピングをめぐる現状を把握し、2)これまでの遺伝子ドーピング研究に関する先行研究を精査し、3)遺伝子ドーピング特有の倫理的問題性を具体的に明示した上で考察を試みること、の三点に焦点を当てて取り組み、研究を進めた。 その成果の一部については、平成25年9月に開催された「国際スポーツ哲学会」において口頭発表を行った。またその際、当該発表をもとに、国際スポーツ哲学会会長と、遺伝子ドーピングやエンハンスメントをめぐる諸問題について意見交換を行うことができた。そして、平成26年8月日本において、当該テーマに関する考察を深めるための研究交流を行うことで一致するなど、一定の成果を得た。 学術論文の成果については、遺伝子ドーピングやエンハンスメントに関する論文を、複数投稿出版することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、申請時の研究計画通り、まずは原理的研究を進めることができたと評価する。その証左として、国際学会での発表や投稿を積極的に行い、遂行することができたことが挙げられる。 また、当初の予定通り、国際研究者交流の計画も進んでおり、平成26年度8月に開催される日本体育・スポーツ哲学会に参加するために来日する、国際スポーツ哲学会会長との研究に関する意見交換を予定している。このように、国際的な広がりの中で研究を位置づけることができていると認識している。 また、日本体育学会が出版している『体育学研究』にも、エンハンスメントに関する倫理学的な原理研究の論文が、近くパブリッシュされる予定である。これらの状態を踏まえて、想定通りのペースで研究が進んでおり、また研究業績を提示することができていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成25年度の成果を踏まえ、さらに研究を発展させていく。 まずは、平成25年度に国際スポーツ哲学会において発表した、遺伝子ドーピングについての内容をさらに精緻にまとめ、The journal of the philosophy of sportに投稿し、研究成果として示していきたい。 また、平成26年度8月に予定している国際スポーツ哲学会会長との研究交流を踏まえたうえで、スポーツ界における、遺伝子ドーピングを含めたエンハンスメントに関する問題について、「ほんもの(Authenticity)」という概念から読み解いていくという原理的考察を行い、その成果を国際誌へ投稿することを予定している。 なお、平成26年度の研究計画においては、原理的研究からより実践的なルールの構築、倫理学的社会学的枠組みの構築を目指していく。その際、「合意形成」を一つの重要な鍵となる概念として据え、取り組んでいく。合意形成に関しては、ユルゲン・ハーバーマスの理論を参考にし、研究を進めていく予定である。 合意形成という視点からの、遺伝子ドーピングに関する倫理学的社会学的枠組み構築のための体系的な成果は、最終的に学会発表、投稿論文を通して示していきたい。
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Research Products
(4 results)