2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25750306
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹村 瑞穂 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助手 (70634351)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遺伝子ドーピング / スポーツ / 身体 / 自由 / 所有 / 倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究費のテーマは、競技スポーツ界において深刻な問題となっている「遺伝子ドーピング」の倫理学的な枠組みの構築に向けての原理的研究が主たる研究内容であった。日本においては、遺伝子ドーピングの倫理学的な研究はほとんどないため、①海外における遺伝子ドーピングに関する倫理学的研究、②日本における遺伝子操作に関する医学倫理分野の先行研究、③日本におけるエンハンスメントに関する応用倫理学分野の先行研究の各々について精査し、遺伝子ドーピングの倫理学的問題について論じる手がかりとした。本研究の実績は、大別して三つ挙げられる。 一つには、2013年にアメリカ・カリフォルニア大学フラトン校で開催された、国際スポーツ哲学会において、”ethical considerations on gene doping in sport circles"というタイトルで口頭発表をしたことである。この発表が契機となり、国際スポーツ哲学会長でもある、Jesus Ilundain氏との共同研究が進むこととなった。 もう一つは、2014年に開催された医学哲学倫理学会において、「遺伝子操作技術を用いた身体的エンハンスメントに関する実践哲学的考察:遺伝子の道徳的地位をめぐって」というタイトルで発表したことである。遺伝子ドーピングの問題は、学際的な課題が含まれていながら、日本においては、スポーツ界と倫理哲学界、医学界の連携が十分に取れていない状況にあり、遺伝子ドーピングの問題も知られていないという問題がある。その解消のファーストステップとして、スポーツ以外の領域の学会において論文発表を行った。 最後に、体育学研究に、「競技スポーツにおける身体的エンハンスメントに関する応用倫理学的研究:より「よい」身体をめぐって」というタイトルで原著論文を投稿し、掲載されたことである。
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Research Products
(3 results)