2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25750308
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
武田 剛 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20508840)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 安全スポーツ指導 / 水泳指導 / 飛び込み / 競泳 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は競泳中上級者のプール底頭部衝突を回避するための、競泳スタートの入水姿勢メカニズムの解明を行うことであった。平成25年度は競泳選手の飛び込みデータを収集するための実験環境構築に大きなエフォートをさき、平成26年度は構築した実験環境で実際の競泳選手のデータを収集し解析を行った。 平成26年度は大学男子競泳選手13名より競泳の飛び込みから入水までの運動情報を得た。本研究では陸上での運動情報は、赤外線式の3Dモーションキャプチャシステムを用いて収集する予定であった。しかしながら、予備実験において水面上での光の乱反射(自然光、照明、モーションキャプチャの赤外光)によって身体計測点の特定がソフトウェア上で十分に行えない問題が発生したため、従来の光学式ビデオカメラによる画像分析を実施し対応した。 プール底頭部衝突のリスクを代表する変数として、入水後の頭部の最深点と身体の姿勢を最も表現する胴体の姿勢角度との相関関係を調査した。その結果、頭部の最深点と飛び出し時(泳者の足がスタート台から離れる時刻)胴体角度との間には有意な相関関係は認められなかった。また、頭部の最深点と入水時の胴体角度との間にも有意な相関関係は認められなかった。 この結果、プール底への泳者の頭部の接近には入水前の姿勢の影響は小さく、入水後の姿勢変化によって大きく影響を受ける結果となった。本研究によって、競泳中上級者のスタートを指導する際には陸上動作によってプール底への衝突のリスクを判別し、指導することは困難であり、入水後の水中での動作を評価し、指導を行うことで飛び込みによるプール底衝突回避が可能になることが示唆された。
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