| Research Abstract |
スポーツは, 日常場面で発揮を求められるリーダーシップスキル獲得の場として注目されてきた（Gould et al., 2006).しかしながら,スポーツチームに必要なリーダーシップスキル, そしてそのリーダーシップスキルがどのように獲得されるかに関する知見は未だ乏しい. 本研究の目的は,スポーツチームのキャプテン, そしてチームリーダーを対象に，アスリートに必要なリーダーシップスキルとは何かを明らかにし，アスリートのリーダーシップスキルの獲得過程について理論化することであった.
平成25年度は,スポーツチームにおけるリーダーシップに関する知見をさらに深めるため,1960年代から現在までの先行研究の包括的なレビュー(海外文献計44本)を行った.レビューの結果,高い競技力,熟達志向,学習志向,ポジティブな態度,内的モチベーション,能力に対する柔軟な考え, コミュニケーション,変革型リーダーシップスタイルなど,スポーツチームにおいてリーダーとして出現する選手, また効果的なリーダーとして認識されている選手の特徴に関する予備的な知見が得られた.現在は海外誌への投稿を目指し,レビュー論文を執筆するとともに, アスリートのリーダーシップスキル獲得モデルの構築に向けた質的調査の準備を行っている.調査計画は,現在,研究代表者所属機関の倫理委員会において審査中である.平成26年度は,インタビューとフィールド・オブザベーションで構成された質的調査を進め,また後期には質問紙調査も開始し,アスリートのリーダーシップスキル獲得モデルの構築を目指す.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質的調査の実施前に,1960年代まで遡る包括的な先行研究のレビューを行う必要性が見られたことから,調査準備に若干の遅れが出た.しかしながら,レビューから予備的な知見を得られたことで,調査で使用するインタビューガイドなどにもその知見を活かすことができた.調査準備に時間をかけたことで,26年度の調査は滞り無く進むことが予想される.
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