2013 Fiscal Year Annual Research Report
マルチボディパワーアナリシスによるエネルギーフローを考慮したむち運動の解析
Project/Area Number |
25750324
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
尾崎 宏樹 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, その他部局等, 研究員 (00549470)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | エネルギーフロー / キック / むち動作 / マルチボディーパワーアナリシス |
Research Abstract |
本研究は、むち運動であるキック動作をマルチボティーパワーアナリシス法を用いて解析し、エネルギーフローからみた動作の評価をするとともに、その数理モデルを構築しようとするものであった。本研究では、日本代表選手を含むサッカー選手、学生サッカー選手等を被験者とし、3次元動作分析システムによって収集した身体の位置に関するデータを二重振り子モデルを用いて解析した。 その結果、スイング速度への筋力の貢献はある一定程度にとどまり、スイング速度の大小は、内力による貢献に左右されることがわかった。スイング速度の高い技術巧者は、まず、高い助走速度によって身体を移動させ、それによって蹴り脚大腿に大きなエネルギーが流入していた。その後股関節屈曲によってエネルギーが生成されていた。そのエネルギーが下腿へと流出して行く際、膝関節角度を制御し、もっとも効率のよい姿勢をとろうとしていたと考えれられる。大腿の角速度が最大の時、膝関節角度が90度であることが本モデルで最も効果的にエネルギーを伝達できる。本実験での技術巧者の多くもおよそ90度の姿勢をとっていた。また、膝関節伸展によってエネルギーが更に生成され、ボールインパクト直前にスイング速度が最大となっていた。 これらのことあから、ある一定程度の筋力を有する選手が、さらにスイング速度を高めようとする際、まず、助走速度を高め、さらにその後の支持脚接地による急激な停止によって大腿の回転を加速することが有効と考えられる。更に、大腿のエネルギーを効率的に下腿に伝達するため、大腿の角速度が最大になる時、膝関節角度を90度に近づけることが望ましい。 これらの知見から、筋力は十分にある大学女子サッカー選手を対象にトレーニングを行い、その後のスイング速度の変化を観察する調査を実施中である。本研究で用いた二重振り子モデルでは、二関節筋を考慮できないため、今後の更なる考察が必要である。
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