2013 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋のエネルギー供給バランスを評価する非侵襲的マーカーの実用化
Project/Area Number |
25750334
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
宮崎 照雄 東京医科大学, 医学部, 講師 (60532687)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨格筋 / エネルギー代謝 / 運動 / 脂肪酸 / アミノ酸 |
Research Abstract |
一過性の長時間持久性運動前後の脂質とアミノ酸の骨格筋異化マーカーを評価する目的で,市民マラソン大会参加者より募った被験者の血清において,分岐鎖アミノ酸の摂取効果について検討した。分岐鎖アミノ酸製剤もしくは偽薬をマラソン前日より摂取させ,マラソン前日,マラソン直後,一日後に採血した血清を分析に用いた。マラソン後,骨格筋脂肪酸異化を示すアセチルカルニチン,分岐鎖アミノ酸異化を示す3-ハイドロキシイソ酪酸の血中濃度が有意に増加する事が確認された。また,分岐鎖アミノ酸摂取により,マラソン後の血中アセチルカルニチン濃度の増加は抑制され,血中3-ハイドロキシイソ酪酸濃度の増加は亢進された。以上により,骨格筋における脂肪酸と分岐鎖アミノ酸のエネルギー産生への利用が高まる長時間持久性運動において,それぞれの異化状態を示すマーカーの有用性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,一過性の長時間持久性運動前後の「脂質とアミノ酸の異化マーカー」を評価する事が目的であった。本年度は,市民マラソンにおける検討が計画どおりに行えたため,概ね順調に研究が達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,「脂質とアミノ酸の骨格筋異化マーカー」の有用性について,運動時の既存のエネルギー代謝指標(呼吸商や最大酸素摂取量)との変化と比較して,一過性運動時のエネルギー源利用状態について,評価する予定である。 また,特定の運動選手において,長期的,経時的にサンプリングを行い,パフォーマンスや疲労度との関連性を調べ,コンディショニング等における有用性について検討を加える予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度検討した研究に用いたサンプル収集ならびに,データ解析が予定より円滑に行えたため。 今年度は,脂質,アミノ酸代謝マーカーの測定を行う対象を,限定した競技者に設定し,運動時のエネルギー代謝変化について検討する短期的評価と継続的にパフォーマンスと疲労度等との関係を検討する長期的評価について行う予定である。これらの検討を行う上で,より多くの被験者を対象に,サンプル採取と生化学分析を中心に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(6 results)