2013 Fiscal Year Research-status Report
閉じこもりを強化する家族特性の解明:家族に対する支援プログラムの構築
Project/Area Number |
25750348
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
山崎 幸子 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (10550840)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 閉じこもり / 家族特性 / 介護予防 / 地域高齢者 |
Research Abstract |
高齢者の閉じこもりは要介護状態のリスクファクターであるが、効果が実証された介入プログラムはない。そこには、家族の理解が得られないために自治体などが実施する訪問型のプログラムを実施することができず、成果を生んでいないという現状もある。そこで本研究では、高齢者の閉じこもり状態を維持、強化する家族特性を解明することを目的とした。 今年度は、閉じこもり高齢者に対する特有な家族の関わりを明らかにし尺度開発を行うため、閉じこもり高齢者とその同居家族に対するインタビュー調査を実施した。対象者は神奈川県A市の閉じこもり高齢者10人、およびその同居家族10人であった。閉じこもり高齢者本人に対しては普段の生活等について尋ねた。同居家族に対しては、高齢者本人との交流頻度に加え、高齢者に担ってもらいたい役割、閉じこもり状態であることに対する考えなどについて半構造化面接を実施した。その結果、閉じこもり高齢者に特有な家族の関わりとして15項目を抽出した。転倒不安のために外出を控えてもらっている、買い物などは家族が代わりに行う、日中は留守番を頼んでいる、など閉じこもり高齢者への関わりとして、自宅にいることを促すような関わりが主に抽出された。これらを尺度項目原案とした。 今年度は、上記の尺度項目原案をもとに、本調査を2月頃に実施予定であったが、冬期に入り外出頻度が通常よりも減少する影響を加味し、本調査は、4月実施へと予定を変更した。対象者は福島県B村在住の70歳以上高齢者で要支援・要介護認定を受けていない1296人の悉皆調査実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、初年度に尺度開発のための本調査まで完了予定であったが、本調査実施が2月頃の冬期であり、協力自治体との相談の結果、冬期は外出頻度が通常よりも減少しがちであるため、4月に調査実施を遅らせた。しかし調査は遅らせたものの、協力自治体の協力もあり、当初の予定していたよりも本調査の対象者を対象地域の全域に広げ悉皆調査をすることが可能となった。そのため、得られるデータの質はしっかりと担保されているものとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度4月に本調査を完了。研究計画にも挙げている追跡調査については、1年間半の追跡期間を確保するため、当初の計画時には今年度の冬期に実施予定であったが、次年度へと移行させる。そのため今年度は4月に得られたデータをもとに、詳細なデータ分析を実施し、尺度開発、関連要因の検討などを行い学会発表、論文作成に取りかかる。また協力自治体へのフィードバック、介護予防施策へ貢献しうる情報提供を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた大規模サンプルによる調査については、協力自治体との相談の結果、2月から4月へ移行した。そのため、本調査にかかる人件費、謝礼金、印刷代などについて次年度へ繰り越しとなった。 4月に本調査を実施し、調査にかかる人件費、謝礼金など計上していた通りにほぼ施行を完了させる。
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