2013 Fiscal Year Research-status Report
転写因子Nrf1で還元ストレスを解消し、老化関連疾患を予防できるのか?
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25750357
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
辻田 忠志 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20622046)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Nrf1 / 還元ストレス / 老化 / グルタチオン |
Research Abstract |
本研究では、ヒトにおける老化の制御を最終目標として、ほ乳類のモデル生物であるマウス個体において、還元ストレスと老化関連疾患の関連を明らかにすることを目標としている。最終的には転写因子Nrf1の活性調節を通して還元ストレスを緩和し、老化関連疾患の発症を抑制することが期待される。平成25年度は、質量分析機を活用して、薬剤誘導性肝特異的Nrf1ノックアウトマウス肝のメタボロミクス解析から、システインが肝に蓄積することを明らかにした。その結果として還元型グルタチオンが過剰になることを生化学的に明らかにした。主な原因はシスチントランスポーターxCTの過剰発現にあり、Nrf1によってxCTが直接抑制制御を受けることをChIP解析から明らかにした。これまで、グルタチオン濃度が正常マウスに比べて2倍になるようなモデルは報告されていないため、本研究成果をまとめ、論文を投稿した。 また、老化モデルマウスであるα-Klothoマウスを導入し、Nrf1の過剰発現マウスと欠損マウスとの交配を開始した。予備的なデータではあるが、予想に反してα -Klothoが1コピー欠損した状態で、Nrf1が過剰に存在すると早期に老化する表現型を認めた。同時に、Nrf1の欠損マウスと交配を実施し、実験に資するマウスを作出した。これらのマウスの表現型解析のため、フリーチオールの体内濃度を測定する方法をCE-MS および、生化学的な方法で確立した。平成26年度は、Nrf1の活性化および欠損による還元ストレスが老化にどのような作用をもたらすのかを詳細に解析する。加えて、Nrf1過剰および欠損に伴う還元ストレスの実態解析を通して、Nrf1の分子基盤の解析をすすめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、早期老化マウスのα-Klothoマウスを導入し、Nrf1過剰発現マウスおよびNrf1欠損マウスとの交配を開始し、予備的な実験データを取得した。特にα-Klotho-/-マウスにおける還元ストレスについてはHsp25の発現、グルタチオンの含有量について、肝臓、腎臓、血漿について検討を始め、予備的なデータではあるが、還元ストレスが加齢とともに増加していることを観察している。還元ストレス誘導剤(水素、ヨウ化カリウム、塩化スズ)の効果をマウスで確認する前に、培養細胞を用いた検討を開始した。現在、GSH量、Nrf1の細胞内局在に加えて、エンドポイントを明確にするために、メタボロミクス解析で還元ストレスマーカーの探索を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、生後、4、6、8週齡のα-Klotho-/-を解析し、還元ストレスがどの段階で増加するのかを経時的に解析することで明らかにし、老化のエンドポイントマーカーが長期飼育マウス等にも応用できるのか検証を行う。最近、ゲノムワイドなDNAのメチル化状態が、細胞老化の指標となることが報告されているが、本研究ではNrf1を含めた特定の遺伝子の発現の変化が観察できるか検討を進めていきたい。さらに、α-KlothoマウスとNrf1過剰発現マウスおよびNrf1欠損マウスにおける老化状態を解析することでNrf1が老化を席魚可能であることを、遺伝学的に実証する。ハダカデバネズミの解析についてUniversity of TexasのRochelle Buffenstein教授に打診した所、慶応大学医学部の三浦恭子博士を紹介していただいた。現在、三浦博士からハダカデバネズミのRNA、繊維芽細胞を供与いただき、今年度Nrf1の遺伝子ノックダウン実験等に使用し、長寿モデルからNrf1の貢献を明確にしていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、マウスの導入、交配実験をすすめ、研究環境の整備に時間を要ししたため、予定していた、生化学的、遺伝学的解析を平成26年度に延期することとなり支出が少なくなったため。 平成26年度は、平成25年度に確立したマウスを用いた実験が本格化し、研究試薬を多く使用する予定である。また、研究成果発表のため海外出張を予定しており、その旅費として利用する。
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Research Products
(3 results)