2013 Fiscal Year Research-status Report
加齢による口腔免疫能の低下に対する継続的な運動の効果に関する研究
Project/Area Number |
25750358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 和弘 筑波大学, スポーツR&Dコア, 研究員 (00508286)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 免疫機能 / 抗菌ペプチド / 運動 / 加齢 |
Research Abstract |
本研究では、抗菌タンパクであるヒトβディフェンシン2(human beta defensin 2:hBD2)の分泌メカニズムを検討するため、hBD2に相当するマウスβディフェンシン3(mouse beta defensin 3:mBD3)に焦点をあて、組織中のmBD3の運動応答について検討することを目的とした。 最初にhBD2の運動応答の確認を行った。男子大学生アスリートを対象とし、合宿期間中の唾液中hBD2の応答を調べた。その結果、合宿が進むにつれ安静時のhBD2は低下した。これにより、hBD2は高強度運動に応答し、低下することが示された。 次に雄性C57BL/6Jマウス9週齢(運動群:10 匹,非運動群:10 匹)を対象とし、運動群は、トレッドミルによるランニング運動(傾斜0°、22 m/min の速度で10分間のウォームアップを行い、22 m/minから25 m/minへ段階的に上げて15分間、25 m/minの速度で15分間、25 m/minから28 m/minへ段階的に上げて15分間、28 m/minの速度で30分間走らせ、5分間の間に0 m/minまで落とし、計90分間実施,電気刺激は使用しない)。非運動群は、トレッドミルの横に静置させ、トレッドミル運転時の音や振動のある環境に曝した(90分間)。運動および静置後にペントバルビタールナトリウムの腹腔投与による麻酔処理を行い、その後ピロカルピンを腹腔に投与することで唾液分泌を促進させた。マイクロピペッターを用いて唾液を採取後、心臓脱血により屠殺し、唾液線、口腔粘膜および小腸を採取した。採取した組織よりcDNAを合成し、リアルタイムPCRを用いてmBD3およびGAPDHの遺伝子発現を検出した。 今年度は、予備実験にて運動プロトコルの決定およびmBD3の遺伝子発現の検出を成功させた。また本実験ではサンプリングまで実施した。来年度は採取した組織中のmBD3の遺伝子発現およびサイトカインの解析を進めるとともにmBD3の加齢変化および継続的な運動効果について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試薬類の海外製品が入手できなかったこと、また測定機器の故障のため、予定していた高強度運動を実施したマウスのmBD3の遺伝子発現の検出を行うことができず、当初の研究計画よりやや遅延している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に実施できなかった、高強度運動後のmBD3遺伝子発現の解析を行い、mBD3の加齢変化および継続的な運動による応答について検討することを計画通りに進め、成果を積極的に発進する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた実験試薬が購入できなかったため。 91,444円を試薬類(mBD3遺伝子発現の測定)の購入費に使用する。
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