2014 Fiscal Year Annual Research Report
加齢による口腔免疫能の低下に対する継続的な運動の効果に関する研究
Project/Area Number |
25750358
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 和弘 筑波大学, スポーツR&Dコア, 研究員 (00508286)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 免疫機能 / 運動 / 加齢 / 抗菌ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,歯周病予防に貢献する抗菌ペプチドのディフェンシン(mBD3)に着目し,加齢による口腔免疫能の低下に対する継続的運動の効果について明らかにするため,ディフェンシンの加齢変化(課題1),ディフェンシンの運動応答(課題2),継続的運動に対するディフェンシンの応答(課題3)について検討した. 課題1:32週齢のSAMP1マウス(加齢促進マウス)およびSAMR1マウス(抗加齢マウス)を対象とし,唾液腺中のmBD3遺伝子発現を比較した.その結果, mBD3発現について両群間に統計的な差は認められなかった.ディフェンシン発現は加齢による影響を受けない可能性があるが,今後は若齢マウスと高齢マウスによる比較も必要である. 課題2:10週齢のC57BL/6マウスを対象とし,運動群と安静群に分けた.運動群は,トレッドミルによる走運動を疲労困憊に至るまで実施した.運動群の唾液腺中mBD3発現は,安静群に比べて有意に低値を示した(p < 0.05).従って,唾液腺中のディフェンシンは運動に応答する可能性が示唆された. 課題3:24週齢のSAMP1マウス(加齢促進マウス)を対象とし,運動群と非運動群に分けた.運動群はホイールによる自発走を8週間実施した(1日あたり4.69±1.66 km).非運動群は,ホイールなしのケージで8週間飼育された.8週間後,運動群における唾液腺中のmBD3発現は,非運動群に比べて有意に低値を示した(p < 0.05).高強度運動の連続は安静時のディフェンシンレベルを低下させる報告もある.今回は自発運動ではあるが,24週齢の加齢促進マウスにおける適度な運動量について今後は言及する必要が考えられた. 本研究結果より,唾液腺中のディフェンシンは加齢変化せず,運動には応答する可能性が示されたが,応答の規則性についてはさらに検討する必要性が考えられた.
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