2014 Fiscal Year Annual Research Report
運動強度に着目した異所性脂肪蓄積、インスリン抵抗性改善メカニズムの解明
Project/Area Number |
25750362
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
竹野 景海 順天堂大学, 医学部, 助教 (50459062)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インスリン抵抗性 / 運動強度 / 細胞内脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、糖尿病や動脈硬化発症の予防・治療において、運動量に加えて、運動強度の重要性が認識されつつあるが、運動強度の違いが骨格筋代謝反応にどのような違いを与えるかについて、不明の部分が多く残されている。本研究では、運動強度の差が骨格筋にどのような生理学的な反応をもたらすかをインスリン感受性(IS)、骨格筋細胞内脂質(IMCL)に特に着目した前向き介入試験により明らかとすることを目的とした。 対象は年齢20-50歳,BMI≦30kg/m 2 でHOMA-IR≧1.6である男性12名で、全例に最大酸素摂取量(VO2max)の測定を実施し、運動強度が40%VO2max の低強度群(L群)と70%VO2max の高強度群(H群)に無作為割り付けを行い、5日間連続の運動介入を施行した。運動内容は、両群とも消費熱量が300kcal/日となるように各群で運動時間を調整した。運動介入前と運動介入終了3日後にISを高インスリン正常血糖クランプ検査による糖注入率(GIR)で評価し、前脛骨筋におけるIMCLを 1H-MRSにより測定した。 選出された12名の平均年齢38.7歳、体脂肪率26.9%、BMI 27.0kg/m 2 で割り付けはL群,H群ともに6名ずつであった。運動介入後、GIRは両群共に介入前に比較して増加傾向であったが、有意な変化は認めなかった。一方、IMCLは L群でほとんど変化を認めなかったが、大変興味深いことに、 H群では介入前に比べ介入後には2倍以上の増加を認めた。 5日間連続の運動は強度の違いによりIMCLに異なった変化をもたらす可能性が示唆され、H群ではIMCLが倍増したにも関わらずIRは改善傾向を示し、アスリートパラドックスと同様の現象が観察された。今後被験者数を増やしさらなる検討を行うと同時に、被験者から採取した骨格筋生検サンプルを解析し、これらのメカニズムについて探求する
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