2015 Fiscal Year Research-status Report
発達とアタッチメントから考えるニート・ひきこもりへと至るプロセス
Project/Area Number |
25750377
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
中尾 達馬 琉球大学, 教育学部, 准教授 (40380662)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ひきこもり / ニート / 社会関係からの撤退 / 非社会性 / アタッチメント / 発達 / シャイネス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、「社会関係から撤退する傾向」は、「個人特性」「外的要因」の影響を受け、「適応・不適応」へとつながるというモデル(Rubin et al., 1993)に基づき、企図された。具体的には、本研究では、質問紙による調査が可能な小学4年生から大学4年生までを対象に、本人の持つ社会関係から撤退する傾向の他に、どのような特徴が付加されると重篤な不適応の問題へとつながるのかを明らかにする(以下、調査1-aと表記する)。そして、「内気な児童」「おしゃべりな児童」「普通の児童」などといった仮想的児童を提示し、その受容度などを検討することで、社会関係からの撤退の緩和因・促進因を明らかにする(以下、調査1-bと表記する)。 平成27年度は、平成26年度に引き続き、調査1-aの指標を最終確定するために、まず、大学生を対象に最終的な予備調査を行った。その後、この調査を踏まえて、小学4年生・5年生・6年生および大学生に対して本調査を実施した。また、調査1-bについても、大学生や小学校教諭に対して本調査を実施した。なお、大学生を対象とした調査については、その一部を九州心理学会第76回大会でポスター発表した。 ひきこもり経験者に対してAAIを実施するという調査(以下、調査2と表記する)については、AAIの信頼性テストを受けつつ、また、AAIの理解をより深めるために、その元となるSSPの講習をミネソタ大学で2週間受講した。 加えて、平成27年度は、ニート・ひきこもりのアタッチメントとシャイネスが異性に対する対人的かかわり(恋愛や結婚)に与える影響を明らかにするために、web調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査1-aについては、小学生から大学生まで同じ質問紙を用いて調査を行うため、質問紙の完成が難航していたが、今年度は、質問票を完成し、小学生や大学生に対しては本調査を実施できた。しかし、中学生や高校生に対して本調査を実施するところまでは至っていない。調査1-bについては、小学校教諭や大学生に対しては、本調査を実施できたが、これら以外の対象に対しては本調査を実施できていない。調査2については、AAIそのものへの理解は深まったが、未だに本調査を開始できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
調査1-aについては、当初の予定通り、平成28年度も継続して、中学生や高校生、大学生に対して調査を実施する。調査1-bについては、今までに実施した小学校教諭・高校教諭・大学生に対する調査を精査し、今年度、これら以外の対象に対して本調査を実施するかを決定する。あまりにも予想通りの結果が得られない場合には、調査1-bを中断することを検討する(その分の労力を調査1-aや調査2に割く)。調査2についても、当初の計画通り、ニート・ひきこもり経験者に対する調査を開始する。
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Research Products
(1 results)