2014 Fiscal Year Research-status Report
乳児の歌い手に対する選好メカニズム:歌いかけのコミュニケーション機能の検討
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25750380
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山根 直人 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (60550192)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歌いかけ / 乳児 / コミュニケーション / 発達 / 母子相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳児との関わりの中で、父母や保育者が歌いかける行動は文化や言語を超えて見られる。それは遊び場面や眠りに付かせる際、食事の際など乳児との様々なコミュニケーション場面で出現する。つまり、乳児に対する歌いかけには歌い手のコミュニケーション意図が強く反映されていると考えられる。しかし、乳児がその意図をどのように受け取っているかについてはほとんど明らかになっていない。そこで、本研究は育児や子育ての場面で見られる、養育者が乳児に歌いかける行動のコミュニケーション機能のメカニズムを検討することが目的である。そのために、歌いかけに焦点を当て、乳児の歌い手に対する選好メカニズムの検討から、歌いかけの担うコミュニケーション機能の解明を試みている。本年度は、乳児の音楽発達及び音楽認知の先行研究のレビューを行い、招待講演及び学会発表を行った。これらを通し、乳児の音楽認知分野における現状とその課題について明らかにした。さらに、乳児と他者とのコミュニケーション機能に関してその基盤となる音声による情動認知に関する行動及び生理指標を用いた実験的検討を行った。その結果、1)乳児の唾液コルチゾールのストレスマーカーとしての有用性、2)乳児の情動音声に対する反応の共通性と個人差について明らかにした。昨年度に行った行動と脳反応に基づく乳児の歌唱認知の基礎的知見と本年度実施した、行動と生理的指標に基づく情動認知の知見、先行研究レビューを合わせ、最終年となる本年度は、乳児の歌いかけのコミュニケーション機能を行動―脳―生理的指標を用いて実験的に検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に本年度実施する全ての実験環境を整え終え、データを取得するのみとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度前半中に、全ての実験データを取り終える。後半期には、取得した実験データと合わせ、これまで行ってきた基礎的知見と合わせ本研究をまとめていく。
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Causes of Carryover |
次年度も継続して実験データを取得し続けるため、微細な差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
被験者謝礼として使用する。
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