2014 Fiscal Year Annual Research Report
海洋シアノバクテリア由来新規マクロリド化合物の機能と応用
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25750386
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大野 修 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (20436992)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | biselyngbyaside類 / biselyngbyolide類 / kurahyne / シアノバクテリア / アポトーシス / 小胞体ストレス / カルシウム / SERCA |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄県石垣島で採集した海洋シアノバクテリアLyngbya sp.から昨年度単離したbiselyngbyasideの新規類縁体biselyngbyolide Bに加え、新たに3種の新規類縁体biselyngbyolide Cとbiselyngbyaside E, Fを単離し、構造を決定した。既に得られている類縁体も含めてそれらの活性の比較を行うことで構造活性相関に関する新たな知見を得ることができた。すなわち、分子内の糖の存在は活性低下に寄与すること、側鎖部の3置換オレフィンの幾何異性が活性に大きく影響すること、C4-C5位の構造は活性に寄与しないことを明らかにすることができた。また、類縁体の中で最も強力な活性を示したbiselyngbyolide Cについて詳細な解析を試み、本化合物ががん細胞に対して小胞体ストレスとアポトーシス誘導活性を同濃度域で示すことを明らかにし、その小胞体ストレス誘導物質としての活性を見出した。 また、biselyngbyaside類と同じく海洋シアノバクテリア由来の新規ペプチドkurahyneについても、小胞体ストレス誘導物質としての活性を見出した。また、kurahyneの蛍光基導入プローブを用いた解析によりkurahyneが小胞体に局在することを示す結果を得た。ビオチン導入プローブを用いたアフィニティー精製により、小胞体膜上カルシウムATPaseであるSERCAがbiselyngbyasideの標的分子の候補であることを示す結果が得られた。さらに、kurahyneがウサギ筋小胞体膜上SERCAのATPase活性を阻害することを見出した。 以上のように海洋シアノバクテリアより単離したbiselyngbyaside類、biselyngbyolide類、kurahyneについて新たな小胞体ストレス誘導剤としての特性を明らかにした。
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Research Products
(24 results)