2014 Fiscal Year Research-status Report
エラスチン架橋分子の創製・構造解析とCOPD診断法の開発
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25750388
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
臼杵 豊展 上智大学, 理工学部, 准教授 (50514535)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エラスチン / バイオマーカー / desmosine |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に達成した生合成を模倣したエラスチン架橋アミノ酸desmosine類の合成法の確立、および当研究グループで以前確立したクロスカップリングによる合成法を用いることで、本年度は同位体標識したdesmosineの調製を遂行した。具体的には、13C標識したアルデヒドと15N標識したアミンを出発物質として、ランタノイド触媒を用いたChichibabinピリジン合成によって、13C,15N標識したisodesmosineの合成に成功した。また、クロスカップリングで得られた基質のアルキンの還元反応において、重水素を用いることによって、desmosineに重水素を導入した化合物も調製できた。これらの同位体標識体を用いることによって、COPD患者由来の臨床試料のdesmosineの定量分析が可能となった。 さらに、エラスチンの架橋部位を調製するために、環状ペプチド型desmosineの合成にも取り掛かった。現在、最終化合物の直前まで来ており、エラスチンの三次元構造の解析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
エラスチンの架橋部位の周辺の構造および部分構造の解析を進める計画である。また、ELISA法による簡便な診断薬の開発を目指して、desmosineとBSAやKLHなどのキャリアタンパク質とのコンジュゲートの調製も開始する。そして、特異的にdesmosineを認識しうるモノクノーナル抗体を作成することができれば、ELISA法を確立する。これにより、煩雑なLC-MS分析に供することなく、患者の血液検査や尿検査だけで簡便にCOPDを判断できる診断薬の開発へ繋がる。
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Causes of Carryover |
差引額の3円は、誤差範囲である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3円の過剰予算を消化できるよう取り組む。
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Research Products
(24 results)