2015 Fiscal Year Annual Research Report
エラスチン架橋分子の創製・構造解析とCOPD診断法の開発
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25750388
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
臼杵 豊展 上智大学, 理工学部, 准教授 (50514535)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エラスチン / バイオマーカー / desmosine |
Outline of Annual Research Achievements |
1.生合成を模倣したChichibabinピリジン合成を利用することにより、エラスチン架橋アミノ酸であるdesmosineおよびisodemosineの合成に成功した。本反応では、ランタノイドトリフラートを触媒として、アルデヒドとアミンの連続的な脱水縮合反応によって、desmosineとisodesmosineの作り分けをすることができた。(初年度の成果) 2.上記の反応を利用し、13C標識したアルデヒドと15N標識アミノ酸を基質としたところ、目的の同位体標識isodesmosineの合成に成功した。さらに、クロスカップリングを基軸とした合成ルートによって、重水素標識したdesmosineの調製も達成した。これらの同位体標識体は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)患者由来の臨床試料におけるdesmosineの定量分析に寄与する。(次年度の成果) 3.本年度の成果として、これまでに確立していたクロスカップリングを利用した合成ルートによって、環状ペプチド型desmosineの合成に成功した。本化合物は、エラスチンのdesmosineの架橋領域周辺の構造を解明するために、重要な基質であり、エラスチンの三次元構造の解明につながる。
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