2015 Fiscal Year Annual Research Report
琉球列島米国民政府(USCAR)フィルムと占領下の沖縄
Project/Area Number |
25760011
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Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
名嘉山 リサ 沖縄工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (80455188)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | USCAR / 琉球列島米国民政府 / 占領政策 / プロパガンダ / フィルム / テレビ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、沖縄県公文書館をはじめとする国内の施設で引き続き関連資料の調査を行った。また、地元紙の琉球新報で半年間担当したコラムで、本研究に関わるトピックを執筆したところ、新聞社を通して情報提供があり、USCARの番組を制作した方々に聴き取りをすることができた。 米国国立公文書館で、フィルムや音声テープのデジタル申請、複製、資料調査を行った。これまで探せなかった資料や、USCARが制作に協力した日本映画についての資料など、新たな発見があった。それについては、冷戦研究会の例会にて研究発表を行った。また、米国での調査と並行して、研究協力体制を取った別の科研グループとワシントンDCにあるジョージタウン大学で開催されたシンポジウムにも参加し、USCAR制作フィルムについて、米国の研究者や学生に向けて発表を行った。 沖縄県公文書館や地元のテレビ局の元職員の方々とタイアップし、公文書活用講座を開催した。米国で入手したUSCAR制作番組のナレーション原稿をもとに、沖縄県公文書館が以前米国で入手した映像にナレーションや音声をつけ番組の復元を行い、県民に向けて上映するという催しを行った。本研究で入手した一時資料を一般の方々にもわかりやすいように提示し、解説をした。その内容を加筆修正し、沖縄返還当時の米民政府が行ったテレビメディアを通した広報外交についての論考をまとめた。上映後の質疑応答やアンケートでも情報提供があり、上映した番組を実際に制作した元USCAR職員の方への聴き取りも行うことができ、文字・映像資料からだけでは分からない情報を入手できた。 さらに、映像が撮られた場所に赴き、その地域に詳しい方からの聴き取りを行うことで、USCAR制作映像に関する情報を別の角度から入手し知見を深めることができた。米民政府広報局に関する著書の合評会に司会として参加し、米国の沖縄占領の概観に関しても深めることができた。
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Research Products
(4 results)